獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
あなたは、愛犬が毎日どのぐらい水を飲んでいるか把握していますか?
朝起きたとき、お散歩のあとなど決まったタイミングで飲むことが多いと思いますが、あまり水を飲まないという子もいますよね。
しかし、ときに愛犬がまったく水を飲まなくなってしまうこともあります。
犬が突然水を飲まなくなってしまうと、なにか体調でも悪いのかと心配するのではないでしょうか。
今回は、愛犬が水を飲まなくなったときに考えられる原因と、水を飲まないとどんなリスクがあるのかなどについて詳しく解説します。
犬が水を飲まない原因
犬が水を飲まないときに考えられるおもな原因を以下にあげます。
- 老化による必要量の低下
- 老化による渇感の低下
- 病気などによる体調不良
- 水飲み場や飲み水に問題
- 飲水量が十分
- ストレス
犬は加齢にともなって活動量が落ち、基礎代謝も低下します。同時に必要な水分量も減る傾向です。
加齢によって、のどの渇きの感覚が低下して、必要な水分量を摂取できなくなる場合もあります。
また、病気や怪我などによる体調不良でご飯を食べなかったり、水を飲まなくなったりすることもあります。
そのほか、引っ越しといった環境の変化に起因するストレスが原因になることも考えられるでしょう。
まだ若くて健康な犬であれば、水飲み場や水の器が気に入らない、水が汚れているなどの些細なことが原因になる場合があります。
ウェットフードを与えているなら、十分な量の水分を摂取している可能性もあるでしょう。
犬が水を飲まないリスク
水を飲まずに体内の水分量が少ない状態がつづくと腎臓に負担がかかり、尿路結石や膀胱炎になりやすいなどのリスクが生じます。
また、体の中の水分の約5%(体重5kgの成犬で150ml程度)が失われると、犬は元気がなくなったり、ふらついたりするようになります。
おしっこの量が少なくなって色が濃くなる、吐き気や嘔吐といった症状が見られる場合もあり、健康に障害が出てきます。
さらに水分量が減ると急性腎臓病や尿毒症を引き起こし、最悪の場合は死に至ります。
こうしたさまざまなリスクを避けるには、体がダメージを受ける前に水を飲ませることです。
もし、水を飲ませても状況が改善しない、またはまったく飲んでくれないといった場合は、なるべく早く動物病院を受診してください。
犬の1日の水分摂取量の目安
1日に犬が飲む水の量は体重から計算することができます。
簡単な計算式は「体重(kg)×50〜70(ml)」です。
体重が5kgの場合は250〜350mlということになります。
もし、この数字よりも愛犬が飲んでいる水の量が少なすぎるのであれば、気になる症状がないか注意深く観察してください。
反対に、飲みすぎの場合も多飲と判断されますので要注意です。
目安は「体重(kg)×100(ml)」で体重5kgであれば500ml以上となります。
【まとめ】
愛犬が急に水を飲まなくなったら心配しない飼い主さんはいないでしょう。
今回は犬が水を飲まない原因、水を飲まないことで起こりうるリスクについて紹介しました。
1日に犬が飲む水の量には個体差もありますので、できることなら愛犬がどれぐらい水分を摂取しているのかを把握しておくことをおすすめします。