獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
あなたは愛犬がご飯を食べてくれない時はどのような工夫をしていますか?
よくある対処法として、フードを温める、フードにぬるま湯をかけるなどがありますが、どうしてもご飯を食べてくれないということもあるかと思います。
そのような時に試してみたいのがトッピングです。
といっても、なんでも食べられるわけではありません。人間にとってはおいしい食べ物でも、犬にとっては命にかかわる危険なものもあります。
そこで、今回はトッピングをする際には注意してほしいこと、OKまたはNGな食材を紹介します。
トッピングをする際の注意点
犬のご飯にトッピングをする際には、いくつか注意しなければいけないことがあります。
愛犬の健康にもかかわりますので、ぜひ参考にしてください。
■ 健康状態や体質を考慮する
尿路結石症や腎臓病、糖尿病など病気によっては、食事に配慮が必要なことも。
決して自己判断で与えてはいけません。病気の治療中、持病がある犬の場合はトッピングをしても良いか事前に獣医師に確認しましょう。
また、犬にも人間と同様に食物アレルギーがあります。そのためはじめて食べる食材には注意が必要です。
最初は少しだけ与えて、体調に問題がないか様子を見るようにしましょう。
■ トッピングの量に注意する
トッピングは、主食であるドッグフードを食べてもらうための補助的なものです。そのため、与える量には注意が必要です。
トッピングの量は1日の摂取カロリーの10%以内に抑えるようにし、その分主食のドッグフードを減らしてください。
■ 人間用に味付けしたものは与えない
人間用に味付けしたものは絶対に与えないようにしましょう。
人間にはおいしくても、犬にとっては、塩分が多すぎるなど好ましくないことが多いためです。
トッピングは、味つけをしていないものを犬用に用意してあげてください。
トッピングに使ってもOKな食材とNGな食材
人間の食材のなかには、犬が食べると中毒を起こし命にかかわるものがあります。トッピングをする際は、与えても良い食材か必ず確認してから使うようにしましょう。
■ 犬に与えてもOKな食材
とくにおすすめの食材をいくつか紹介します。
◆鶏むね肉
◆鶏ささみ
◆にんじん
◆かぼちゃ
◆プレーンヨーグルト
◆りんご
鶏むね肉や鶏ささみは脂肪分が少ないため脂質を抑えることができます。
また、にんじんやかぼちゃなどの緑黄色野菜には、免疫力アップが期待できるベータカロテンが、プレーンヨーグルトには乳酸菌が、りんごにはお腹の調子を整えてくれる食物繊維が豊富に含まれています。
そのほか、ごまや良質なオイルもおすすめの食材です。
■ 犬に与えるのがNGの食材
◆ねぎ類(ねぎ、にんにく、玉ねぎ、ニラなど)
◆甲殻類(エビ・タコ・イカなど)
◆香辛料(唐辛子・こしょうなど)
◆ぶどう・干しブドウ
◆生卵 など
この中で、とくに注意が必要なのは、ねぎ類とぶどうです。中毒症状を引き起こし最悪は死に至ります。
その他の食材も消化不良や嘔吐などの原因になります。
【まとめ】
今回紹介したことは、あくまでも一例です。ほかにも注意しなければいけないことや、危険な食材はたくさんあります。決して自己判断で与えないようにしましょう。
また、病気の治療中や療法食を与えているなど食事に制限がある場合は、与えてもよい食材か獣医師に確認してから与えてください。