獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬も高齢化が進み、犬全体での平均寿命は14歳を超えています。
しかし、犬の寿命が伸びたことで足腰の衰え、病気などによって介護が必要となることもあるのです。
だからこそ、愛犬が健康で楽しいシニア期を過ごすために、今のうちからシニア期に向けて準備しておくことが大切です。
そこで今回は、シニア期に向けて備えておきたい5つのことを紹介します。
1.健康な体づくり
愛犬の健康を維持するためにも、栄養バランスに優れた食事、適度な散歩と運動が重要と言えます。
食事は、年齢にあった適切な栄養バランスの総合栄養食を与えましょう。また、定期的に体重を量り、太りすぎにならないように注意しましょう。
さらに、心身の健康のためには適度な散歩と運動も重要となります。小型犬では20〜30分ほど、大型犬は30〜60分ほどの散歩を1日2回おこなうのが理想です。散歩は脳への良い刺激にもなります。
そのほか、快適な睡眠、ストレスフリーな環境づくりを心がけることも大切です。
2.足腰の負担減と強化
老化で注意したいことのひとつに足腰の衰えがあります。
足腰が衰えると、歩くのが辛くなったり、最悪は寝たきりになってしまうこともあるため注意が必要です。
筋肉は使わないとどんどん衰えていきます。
足腰の強化には毎日のお散歩で十分で、特別なことをする必要はありません。
毎日のお散歩コースに坂道や階段を取り入れる、アスファルトや土などさまざまな地面を歩かせるのも良いでしょう。
※関節炎が原因で、段差を避けたり、散歩を嫌がる場合もありますので、獣医師の診察を受けて、関節炎に対する対策もしてあげましょう。
家の中では床の滑りやすさに注意してください。
フローリングは滑りやすく、足腰の負担になったり、足を傷めたりする原因になります。
対策としては、カーペットやすべり止めのマットを敷くなどがおすすめです。
3.歯磨きで口の中の健康を維持する
デンタルケアをおろそかにすると、歯垢・歯石が溜まり歯周病をはじめとするさまざまな口の中の病気の原因になります。
さらに、心臓病や腎臓病などの重篤な病気を引き起こすリスクがあるのです。
歯垢・歯石の予防には毎日の歯磨きが効果的です。
とは言え、大人になってからいきなり歯磨きをしても嫌がられるだけです。子犬のうちに習慣にしておきましょう。
4.シニア犬について学ぶ
さあ、今日からシニア犬介護だ、と言われても困るという飼い主さんがほとんどでしょう。
そのときになってから慌てないためにも、愛犬が若いうちからシニア犬のお世話や介護について学ぶことをおすすめします。
少し知識があるだけでもお世話の選択肢が増えますし、動物病院での獣医師の話を理解しやすくなるでしょう。
5.老後のための資金を準備する
犬との暮らしには楽しいことも多い一方、頭の痛いことも。
そのひとつが、お金です。
近年犬も長生きするようになり、癌や慢性腎臓病などの慢性疾患にかかる犬も増えています。高額な医療費が大きな負担になることも珍しくありません。
また、シニア犬が過ごしやすい環境づくりにもお金はかかります。
安心して医療を受けられるように、また快適な老後のためにも、ペット保険への加入や老後の資金の貯蓄など、若いうちから計画をしておきましょう。
【まとめ】
愛犬の老後のために飼い主さんでできること、やっておくべきことを紹介しました。
老後に備え、若いうちから健康管理や生活環境の整備を始めることが重要です。
老後の愛犬を守るためにも、今からしっかりと準備しておきましょう。