
獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
冬は、寒さから運動不足になりやすく、食欲も増すため犬の体重が増加しやすい季節です。
春になれば体重が元に戻る「自然な冬太り」であれば心配ありませんが、油断していると太り過ぎてしまって元に戻らなくなってしまうことも。
そこで今回は、簡単な肥満度チェックの方法と、愛犬の健康を守るための冬太り対策を2つご紹介します。
肥満度チェック

犬は1歳の時点の体重が適正体重とされています。
適正体重を基準に肥満の度合いを評価するのが一般的で、適正体重よりも15%以上重くなると肥満と言われます。
1歳時点の体重がわからない場合は、獣医師に診てもらうとよいでしょう。
適正体重以外にはBCS(ボディ・コンディション・スコア)という評価方法が知られています。
BCSは、見た目や触れたときの脂肪の付き具合を基準に体型を「痩せ」から「肥満」までの5段階(9段階で評価する方法もあります)で評価します。
理想的なのは上から見て腰のくびれがあり、横から見ると下腹がきゅっと持ち上がっていて、肋骨や腰骨に容易に触れられる程度に薄く脂肪がついている状態です。
愛犬の肥満の度合いが把握できたら、必要に応じてダイエットを検討しましょう。
冬太り対策1:
与えすぎないように注意する

犬は秋から冬にかけて脂肪を蓄えるために食欲が増しますが、室内飼育の場合、冬でもエネルギー消費はそれほど増えません。
食べたがるからとご飯を多く与えれば太ってしまいます。
愛犬の体重が増えすぎないようにするには、摂取カロリーを適切に調節する必要があります。
とはいえ、食欲が増しているのにご飯の量が同じでは物足りなく感じるでしょう。
したがって、摂取カロリーを増やさずに満腹感が得られるように工夫する必要があるのです。
たとえば、低カロリーで繊維質が豊富なキャベツなどの野菜をトッピングしたり、ドライフードをぬるま湯でふやかしたりなどでかさ増しをすると、摂取カロリーを増やさずに満腹感が得られます。
すでに肥満状態であれば、減量用のフードに切り替えるのもおすすめです。
冬太り対策2:
運動させてカロリーを消費する

愛犬の体重管理には、やはり適度な運動は欠かせません。
外は寒いからと散歩に出たがらない犬もいますが、できるだけ散歩の頻度や時間は減らさないように心がけましょう。
日中の暖かい時間帯を選ぶ、体が冷えないように防寒着を着せるなどのほか、散歩のコースを変えて気分転換をはかったり、散歩中におやつを与えるなどの工夫をして、犬が散歩を楽しめるようにしてあげてください。
やむをえず散歩を減らす場合は、室内でできる「持ってこい」遊びやロープを使った「引っ張りっこ」などで体を動かす工夫をします。
また、屋内ドッグランや温水プールといった施設の利用を検討してもいいでしょう。
【まとめ】

秋から冬にかけて食欲が増すのは人間も犬も同じです。
さらに寒さから運動不足にもおちいりがちです。
油断していると愛犬の体重が増える一方なんてことにもなりかねません。
愛犬の健康のためにも、過度な冬太りにならないように食事と体重の管理をしっかりおこないましょう。