
獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬が手や足を軽く噛んでくる「甘噛み」。
「叱るべき?それとも様子見?」と迷うこと、ありませんか?
実は、甘噛みは犬なりのサインであり、すべてが“悪い行動”というわけではありません。
成長の一環だったり、愛情表現だったり…背景にはちゃんと理由があります。
今回は、そんな甘噛みに隠された5つの理由をわかりやすくご紹介します。
愛犬の行動を正しく理解するヒントに、ぜひお役立てください。
犬の甘噛みとは?

犬の「甘噛み」とは、犬が人やほかの動物の手足などを軽く噛む行為を指します。
力を入れず、歯が相手の皮膚に当たるものの、あまり痛みを感じさせない噛み方です。
この行動は子犬に見られることが多く、成犬になっても続ける場合がありますが、攻撃の意図はありません。
犬が甘噛みをする5つの理由

犬が甘噛みをする理由や程度はさまざまですが、成長の過程で見られるのが一般的です。
よくある理由を5つ紹介します。
1.要求をしている
犬は甘噛みを通じて、飼い主さんに対してなんらかの要求をすることがあります。
たとえば、散歩に行きたい、遊んでほしい、食事の時間!といった要求を伝えるためです。
ただし、甘噛みされるたびに要求にこたえていると、甘噛み=要求が通ると学習し、 頻繁に甘噛みするようになるため注意が必要です。
2.甘えている
犬は飼い主さんに甘えようとして甘噛みをすることがあります。
とくに、子犬に見られる行動で、母犬に甘えるときにも見られる行動です。
飼い主さんに遊んでほしい、構ってほしいというときに、甘噛みをして気を引いていると考えられます。
3.歯の生え変わり
子犬は、生後4〜6か月頃に乳歯から永久歯に生え変わります。
この時期は、歯がグラグラして歯茎がむずがゆくなるため、不快感を和らげようとして手や家具などを噛むようになるのです。
4.ストレスを感じている
ストレス解消のために甘噛みすることもあります。
犬がストレスを感じる原因としては、飼い主さんの不在、生活環境の変化、ほかのペットとの関係などがあげられます。
ストレスを放置しているとさらに甘噛みがひどくなり、噛み癖に発展するかもしれません。
ストレスの原因を探り当て、適切に対処してあげてください。
5.手足で遊ぶ癖がついている
子犬のころに遊びで人間の手や足を噛ませていると、手や足を噛んでもいいおもちゃだと認識してしまいます。
また、甘噛みされた際に「痛い!」などと大げさに反応すると、飼い主さんが喜んでいると勘違いし、遊びの中で噛みつくようになる場合もあります。
まとめ

甘噛みは犬にとっては自然な行動であり、必ずしも悪い意味があるわけではありません。
しかし、甘噛みがひどくなると、人にケガをさせてしまうリスクもあるため、早い段階での対処が必要です。
「甘噛みをやめさせる方法やしつけ」については、こちら↓の記事にて詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください!