獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
愛犬が丸1日うんちをしなくて心配になったことはありませんか?毎日しっかり出ているのに、突然排便がなくなってしまうと便秘かな?と気になりますよね。
1日くらいなら心配いりませんが、丸2日ほど排便がないようであれば、便秘の可能性があります。
また、犬の便秘は排便がない以外にも、うんちがコロコロとしているなど他の症状が出ることがあります。そこで今回は、犬の便秘の症状や原因についてお話したいと思います。
犬の便秘を疑う症状
犬の排便回数は、子犬は1日に5回程度、成犬は1日に2回程度と言われています。これよりも極端に少なくなったり、まったく便通がない場合は便秘を疑います。そのほか便秘を疑うおもな症状は以下のとおりです。
- 排便姿勢を取っているのにうんちが出ない
- 排便時に鳴き声をあげる
- 食欲が低下している
- うんちがコロコロしていて異常に固い
- お腹が張っている
ただし、排便の回数や状態には個体差がありますので、いつもと違うと感じたら獣医師に相談することをおすすめします。
便秘の原因
犬の便秘の原因として、食事、ストレス、運動不足、病気などが考えられます。それぞれについて詳しく解説していきます。
■ 食事内容が体質に合っていない
食事が原因の便秘の場合は、以下のことが考えられます。
- 肉中心の食事
- 食物繊維が多すぎる食事
- 飲水量が少ない
肉中心の食事をしていると食物繊維が不足しがちになるため、便秘になりやすくなります。一方で、不溶性食物繊維が多すぎる食事も便秘の原因になります。
とくに、腸の働きが弱っているときは便秘を悪化させてしまいがちです。また、飲水量が減ると、うんちに含まれる水分量が減るため、便秘の原因になります。
■ ストレス
犬はストレスがたまると自律神経が乱れて、腸の働きにも影響が生じる場合があります。以下のような状況で便秘の症状が見られる場合、ストレスが原因になっているかもしれません。
- トイレが気に入らない
- 引っ越しをして環境が変わった
- 赤ちゃんが産まれた、ペットが増えた
- 大好きな飼い主との別れ
もし、思い当たることがあるならば、ストレスの原因を取り除くようにする、一緒に遊ぶ時間を増やして気分転換をするなどの対策をしましょう。
■ 運動不足
犬は歩いたり走ったりなどの運動することで、副交感神経が活発になり、腸の蠕動運動を促すことで排便につながります。そのため、散歩を好まない犬は便秘になりやすい傾向があります。
また、散歩中に排便の習慣がある犬は、散歩に行けないと排便を我慢してしまい便秘の原因になるため注意が必要です。
■ 病気
便秘の原因には以下のような病気が隠れていることもあります。
- 消化管の腫瘍
- 前立腺肥大
- 誤食による腸閉塞
- 肛門周辺の病気
消化管の腫瘍や前立腺肥大が原因で便の通り道が塞がれることで便秘を引き起こします。また、会陰ヘルニア、肛門嚢炎といった肛門周辺の病気なども原因になります。
まとめ
犬の便秘には明確な基準がありません。排便に関していつもと違うなと感じたら獣医師に相談してください。
また、思い当たる原因がある場合は対策をおこないましょう。