獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
あなたは、愛犬の口臭が気になったことはありますか?
犬の口臭の原因には病気もありますが、歯みがきなどのデンタルケアで予防できることも多いのです。
しかし、「歯磨きは難しい・・」「忙しくて時間がない・・」と、あきらめてしまっている方も多いのではないでしょうか。
たしかに、口臭予防のためには歯磨きは欠かせませんが、歯磨き以外のケア方法もあります。
そこで、今回は、犬の口臭を防ぐためにはどのような方法があるのかお話したいと思います。
歯みがきをする
愛犬の口臭予防では歯垢と歯石ができないようにし、口腔内を清潔に保つことがいちばんです。
そのためには、毎日の歯磨き(ブラッシング)が欠かせません。
犬は歯垢が歯石になるまでは3日程度と言われていますので、最低でも2日に1回は歯磨きをおこなう必要があるでしょう。
歯みがきでいちばん効果的なのは歯ブラシを使ったブラッシングですが、難しい場合は歯みがきシートや歯磨きガム、歯みがき効果のあるおもちゃを使うのもおすすめです。
その場合も愛犬の様子を見ながら少しずつ歯ブラシに慣らしていきましょう。
デンタルケアのできるフードを与える
ドッグフードのなかには、食べるだけで歯みがきの効果が期待できるとされているフードもあります。
粒の形状、大きさ、硬さなどが工夫されており、しっかりと噛んで食べることで効果が得られます。
また、口臭予防を重視する場合は、ウェットフードよりもドライフードがおすすめです。
一般的に、ウェットフードよりもドライフードの方が歯垢が付着しにくいと言われています。
サプリメントを利用する
口臭予防にはサプリメントもおすすめです。
口腔内の善玉菌を増やして、歯周病菌を減らすサプリメントを使用することで、口内の環境を整え、口臭予防に効果があるとされています。
最近では、歯垢を除去し口臭を予防するデンタルケアのサプリメントもありますので、歯磨きが難しい場合は動物病院で相談してみると良いでしょう。
また、米国獣医口腔衛生協議会によって歯垢や歯石のコントロールに役立つことが承認されたフードやサプリメントには、承認証(VOHC)マークがあります。
そういったマークを目安に選んでみる方法もあります。
ドライマウスの予防
唾液の分泌が低下して、口腔内が乾燥してくると、自浄作用、口腔内免疫機能が低下して、口内炎や歯周病を生じやすくなります。
いつでも新鮮な水が飲めるようにしておくことも大切です。
口腔内が乾きやすい子では、デンタルジェルやデンタルスプレーを利用してドライマウス対策をすることも口臭予防に役立ちます。
口臭が気になるときは受診をする
愛犬の口臭がひどいときは無理せずに動物病院を受診してください。
とくに、アンモニアやうんちのような臭いがする場合は、内臓疾患や腸閉塞など命にかかわる病気の可能性が否定できませんので早急に受診してください。
急を要する病気でなかったとしても口臭が気になるときは、念のため獣医師に相談しましょう。
口臭から歯周病や歯肉炎が見つかる場合も少なくありません。
また、歯石が溜まっている場合も獣医師に相談することをおすすめします。
【まとめ】
愛犬の口臭予防でいちばん効果的なのは、歯ブラシを使用したブラッシングです。
直接歯をこすることで食べカスを取り除き、歯垢の付着を防げます。
歯磨きが難しい場合はデンタルケアのグッズを使用するのもおすすめです。
愛犬に合った方法を見つけて無理なくケアしてあげましょう。