
獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
以前こちら↓の記事で「犬は静電気をため込みやすい」ということについてお話しました。
静電気は皮膚トラブルや毛玉ができる原因となるので、乾燥するこの時期は静電気の対策が必須です。
そこで今回は、犬の静電気を防止するためにできる4つの対策を具体的にお話したいと思います。
対策1:湿度は40〜60%を保つ

乾燥は静電気を起こす要因でもあります。
そのため、乾燥しやすい冬の静電気対策には加湿が欠かせません。
静電気は、湿度20%以下もしくは40%以下で発生しやすくなると言われています。
また犬が過ごしやすいのは、湿度60%以下だと言われています。つまり、加湿器を使って湿度を40〜60%に保つのが効果的なのです。
加湿器のほかにも、洗濯物やタオルを干すなどの加湿方法もあります。
対策2:使用する布製品の素材に注意する

犬はカーペットやベッド、ソファーなど布製の製品の上でゴロゴロ寝転がるのが大好きです。
しかし、これらの布製品に体を擦りつければ静電気をため込むことになります。
とくに、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は静電気をためやすい素材です。
静電気を減らしたいなら、綿・麻・絹といった天然素材のものがおすすめです(天然素材でも、ウールは例外的に静電気をため込みやすいので注意が必要です)。
また、ポリエステルとナイロン、ポリエステルとウールの組み合わせは静電気を発生させやすいと言われています。いっしょに使用するのは避けるのが無難でしょう。
対策3:被毛を湿らせてからブラッシングする

冬の乾燥している時期はブラッシングの際にも静電気に注意が必要です。
冬は空気中の水分量が減るだけでなく、犬の被毛も乾燥しがちで、静電気が起こりやすくなっています。
ブラッシング中に静電気で痛い思いをすると、ブラッシングを嫌がる原因にもなりかねません。
ブラッシングの際には、霧吹きや軽く濡らしたタオルで被毛の表面を湿らせてあげると良いでしょう。
また、静電気を防いでくれるブラッシングスプレーやコームブラシなども販売されています。
対策4:手の保湿をする

人間の手が乾燥しているときにも静電気が発生しやすくなります。
乾燥しているなと感じたら、ハンドクリームやボディークリームを塗るなど保湿をしましょう。
保湿ケアに使用するクリームは、犬に舐められても安全な成分のものを選ぶと安心です。
また、同時に愛犬の皮膚のケアも忘れずにおこなってください。
保湿効果の高いシャンプーやトリートメントを使用する、肉球クリームを塗るなどで保湿できます。
【まとめ】

静電気の発生には乾燥がかかわっています。
冬の乾燥しやすい時期は、
● 加湿器を使用して湿度を40〜60%に保つ
● 布製品を天然繊維のものにする
● 被毛を湿らせてからブラッシングする
● 人間の手の保湿をする
などの工夫で愛犬に不快な思いをさせずにすみます。
まずは、簡単にできる対策からはじめましょう。