獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬に筋トレ?と思う飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。しかし、犬の健康を守るためには筋肉が重要になるのです。
今回は毎日の生活のなかで無理なく取り組める運動とおすすめの食材をご紹介します。
遅筋と速筋について
筋肉には、遅筋(赤筋)と速筋(白筋)の2種類があり、それぞれ対応する動きに違いがあります。
遅筋はゆっくりとした動きのときに使われる筋肉で、マラソンなどの持続的な運動が得意です。毎日のお散歩や日常の動きをとおして鍛えられます。
一方、速筋はダッシュやジャンプなどの瞬発力を必要とする速い動きが得意な筋肉です。持久力がないため持続的な運動には向きません。散歩のときに早歩きや走ったりすることで鍛えられます。
筋肉を鍛える際は、両方をバランスよく鍛えるのが大切です。
筋肉を鍛えるおすすめの運動
今回はさまざまトレーニングのなかから比較的簡単に実践できるものを3つご紹介します。毎日の生活に取り入れていきましょう。
■散歩中に負荷をかける運動をする
散歩中に少しだけ早歩きをしたり、走ったりというのも立派なトレーニングになります。犬は走り回るのが大好きですから、ストレス発散や気分転換にもなるでしょう。
ただし、アスファルトなどの固い地面の上を走るのは足腰に負担がかかりますので短時間にしてください。ドッグランや土の上で走らせてあげるのがおすすめです。
また、散歩コースに坂道を取り入れると筋肉を鍛える効果があります。急な坂道は負担が大きくなりますので、緩やかな坂道を歩かせるのがよいでしょう。
■お座り、立て、伏せをくり返す
お座り、立て、伏せをくり返すことで関節や足腰を大きく動かす全身運動になります。とくに、足腰を鍛えるのに適しています。途中「待て」を取り入れると体幹を鍛える効果も期待できるでしょう。
全身を大きく動かす運動ですから、長時間何度もくり返しおこなうと体の負担になります。最初は少ない回数からはじめて、愛犬の様子を見ながら増やしてください。
■首の筋肉を鍛える運動
忘れがちなのが首回りの筋肉です。加齢とともに頭をさげた姿勢を維持するのが辛くなってきます。そうなると、食事も大変になってしまいます。
愛犬の名前を呼んで左右に首を振らせる、おやつを高く持ち上げたり下げたりして首を上下に動かしてあげるのが効果的です。
簡単にできますので、ぜひ日常的に取り組んでみてください。
筋肉をつけるのにおすすめの食材は?
犬の筋肉をつくり維持するためには、良質なタンパク質を与えるのが大事です。
おすすめなのは、肉や魚、卵などの動物性タンパク質です。なかでも、牛肉、鶏肉、馬肉、鹿肉がよいとされています。とくに、鹿肉は高タンパク、低脂肪、低カロリーで栄養素も豊富ですから、ぜひ取り入れたい食材です。
鶏胸肉は、価格も安く、高たんぱく、低カロリーで、抗酸化や疲労回復に役立つイミダゾールペプチドを豊富に含んでいるので、おすすめです。
【まとめ】
トレーニングは日常生活のなかに取り入れて継続していくことが大切です。愛犬と相談しながら無理のない範囲で取り組むようにしてください。
また、良質なタンパク質を摂取できるよう食事にも気を配りましょう。