愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

健康管理

犬のワクチンの必要性と混合ワクチンの種類について

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

なぜワクチンが必要なのか


なぜ、ワクチンを接種することが推奨されているのでしょうか?その理由には以下のようなことがあります。


犬の感染症には命にかかわる恐ろしい病気もあります。そんな病気から愛犬を守ってくれるのがワクチンです。

また、犬の感染症の中には人間にも感染する「人畜共通感染症」と呼ばれるものもあります。

ワクチンは、犬から犬への感染はもちろんですが、犬から人への感染を防止する効果も期待できます。

つまり、犬にワクチンを接種するということは犬と人間の両方を感染症から守るということでもあるのです。

さらに、ワクチンを接種することで病気が拡がることを防止できるということもあります。


ペットホテルやドッグランではワクチン接種が施設を利用するための条件になっていることも多く、接種証明書の提出を求められることもあります。これは、お互いに感染をさせないための対策です。

犬の集まる施設を利用するならばワクチン接種は必須とも言えるでしょう。

証明書は接種時に動物病院で発行してもらえますので、忘れずに受け取るようにしてください。

狂犬病予防接種は飼い主の義務


日本では「狂犬病予防法」によって、生後91日以上の飼い犬に狂犬病の予防接種を受けさせるよう義務づけられています。

狂犬病と言われているため、犬の病気だと思っている方もいらっしゃるようですが、実際には猫、猿、コウモリなどのすべてのほ乳類に感染します。もちろん、人間も例外ではありません。しかも、発症するとほぼ100%死に至ります。

日本では1957年以降、国内での感染例はありません。これは、狂犬病の予防接種が普及したことによります。

ただ、海外ではまだまだ感染し亡くなる方がたくさんおり、決して過去の病気ではありません。再び日本で狂犬病を蔓延させないためには飼い主さんの協力が必要なのです。

混合ワクチンの種類


混合ワクチンには大きく分けて、「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の2種類があります。


コアワクチンとは、生活環境を問わずすべての犬に接種が推奨されるワクチンです。コアワクチンで予防できるのは以下の感染症です。

犬ジステンパー
犬伝染性肝炎
犬アデノウイルス(2型)
犬パルボウイルス


混合ワクチンではありませんが、狂犬病もコアワクチンに含まれます。


ノンコアワクチンは、生活環境に応じて接種するかどうか考慮するべきワクチンとされています。例えば、多頭飼育をしている、疾患の流行地域で生活している、野山・水辺などへキャンプや野外活動によく連れていく、流行地域へ旅行するなどの場合に接種を考慮します。

以下の感染症を予防できます。

犬パラインフルエンザウイルス
犬コロナウイルス
犬レプトスピラ症



【まとめ


ワクチンを接種することで、愛犬をさまざまな感染症から守ることができます。また、犬だけではなく、私たち飼い主を人畜共通感染症から守るためでもあります。

犬と人間が安全に暮らすためにもワクチンは必要なのです。


RELATED

PAGE TOP