愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

健康管理

避妊手術・去勢手術はした方がいい?

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

なぜ避妊・去勢手術?


避妊・去勢手術を愛犬に受けさせることは「子供を産ませない=かわいそう」と考える飼い主が未だに多くいるのは事実です。動物病院が手術をお勧めするのは妊娠させないためだけではなく、病気を予防できることやストレスを減らしてあげられるからです。 

避妊・去勢手術のメリット

①乳腺腫瘍を防ぐ
最初の発情がくる前に手術をすると乳腺腫瘍が約99%防げると言われています。悪性の場合は転移することもあります。

②子宮蓄膿症を防ぐ
未避妊の高齢犬ではかなりの頻度で見られます。お尻から膿が出ない場合は膿が溜まり過ぎてお腹の中で子宮が破裂して腹膜炎を生じたり、場合によっては、亡くなってしまうこともあります。

③その他の病気を防ぐ
卵巣腫瘍や卵巣嚢胞などの病気を防ぐことができます。

①前立腺肥大を防ぐ
前立腺が大きくなることで排便障害・会陰ヘルニアなどの病気になることがあります。すぐに生命を脅かすような病気ではないですが、未去勢の高齢犬ではよく見られます

②その他の病気を防ぐ
肛門周囲腺腫、精巣腫瘍などの病気を防ぐことができます。


メスでは生理のほか、神経質になり攻撃的になることが、オスではマーキングやマウンティング、発情期のメス犬に対して興奮すこともあります。これらは手術により緩和することができます。また、性格も穏やかになる場合もあります。

避妊・去勢手術のデメリット


①子供を作ることができない
1番悩まれる方も多いと思いますが、手術をすると元に戻すことはできません

②麻酔のリスク
6.7ヶ月以降〜若いほど手術を行うリスクは低いです。逆に年をとってから行うと年々リスクは高まります。

③太りやすくなる
手術後は基礎代謝が落ちたり、行動が減るため、今までと同じように食べていると太ります。その子に合った食事に切り替えて運動も適度に行っていきましょう。特に、成長期であっても避妊手術後は、成長期用フードは高エネルギーのため、成長期用フードから成犬用フードに徐々に切り替えて変更していくことが大切です。

【まとめ


避妊手術をするメリットは①乳腺腫瘍②子宮蓄膿症などの病気を防ぐこと、去勢手術をするメリットは①前立腺肥大症などの病気を防ぐことです。どちらもストレスを緩和することができます。
しかし、①子供を作ることができない②麻酔のリスク③太りやすくなるという3つのデメリットもお伝えしました。

みなさんは愛犬に避妊・去勢手術することで多くの病気を未然に防ぐことができます。メリットもデメリットも知った上でまずは一度動物病院で相談してみてください


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