獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
ご飯を食べることは生きるためにも大切なことです。犬がご飯を食べないとエネルギーや栄養が不足し、体調を崩してしまいます。
ここでは、犬がご飯を食べない理由や対処法についてご紹介します。
犬がご飯を食べない理由は?
犬がご飯を食べてくれないと心配になりますよね。
ここでは、犬がご飯を食べない理由についてご紹介します。
1)食が細い
犬がご飯を食べない理由は、食が細いことが一つとして挙げられます。食に対しての興味は個体差があり、ご飯をあまり食べてくれない犬もいます。小型犬など体が小さい犬は中・大型犬に比べて胃が小さいため食が細い傾向があります。
2)病気
犬がご飯を食べない理由は、病気が一つとして挙げられます。どんな病気を患っているかにより食欲の有無は異なりますが、多くの病気は食欲が落ちます。特に口腔内疾患の場合は食事をすることで痛みが生じるため、余計に食べなくなります。また、嘔気や嘔吐がある場合や関節痛など口腔以外の痛みがある場合にも食べなくなります。
3)ストレス
犬がご飯を食べない理由は、ストレスが一つとして挙げられます。犬は生活環境の変化、運動不足、痛みなどによりストレスを感じます。
4)老化
犬がご飯を食べない理由は、老化が一つとして挙げられます。犬は7歳を超えるとシニア期に入ります。筋力の低下や基礎代謝の低下で、同じ量を食べていると太ってくる場合が多くなります。
しかし、さらに高齢になると、嗅覚や味覚が低下してきたり、消化吸収力も低下してくるため、食欲が落ちて、ご飯を食べなくなるもしくは食べる量が減っていきます(歯科疾患に罹患している犬も多くなり、痛みで食べられなくなる場合もあります)。
5)わがまま
犬がご飯を食べない理由は、わがままが一つとして挙げられます。ご飯の代わりにおやつなどを与えると、犬はご飯を食べなければおやつをもらえる(次々と美味しいものを出してもらえる)と認識するようになります。何度も繰り返すことで、犬はご飯を食べなくなります。
犬がご飯を食べない時の対処法
犬がご飯を食べない時にはいくつか対処法を試してみることがおすすめです。
ここでは、犬がご飯を食べない時の対処法についてご紹介します。
1)犬の体調を観察する
犬がご飯を食べない時は、犬の体調を確認しましょう。食欲以外に、水はのんでいるかどうか、元気、便や尿の状態、口の中、歩行の様子などもみていきます。何か犬の様子がおかしい場合は、動物病院を受診することが望ましいです。
ただ、子犬の場合は1食食べないだけでも低血糖を引き起こす場合があるため、すぐに動物病院を受診しましょう。
2)食べやすいご飯に変える、風味付けをする
犬がご飯を食べない時には、食べやすいご飯に変えることがおすすめです。ドライフードを利用している場合は、お湯や無塩のチキンスープ(皮なしとり肉をゆでたゆで汁)などを入れふやかし、常温にして与えましょう。ふやかし、人肌程度にすることで、香りがたち、嗜好性もあがります。
ハチミツや糖蜜、ヨーグルトなどを加えてみる方法もあります。
食事のタイプを変更してみる方法もあります。セミドライタイプ(いわゆる半生)やウェットタイプに徐々に変更する方法もあります。ドライにウェットを混ぜる方法もあります。
3)食べてもらう工夫
一日の食事量を何回かに分けて少しずつあげてみましょう。特に、食の細い子(チワワなど)では、猫のようにちょこちょこ食べる場合もあります。
手からあげてみると食べてくれる場合もあります。
食事をしっかり食べてくれた場合には、大げさなくらいほめてあげる、喜んであげることも大切です。
4)必要に応じて動物病院を受診する
犬が半日以上、長くても24時間食べていない場合は、かかりつけの動物病院に電話で相談し、必要に応じて(病院で来院をうながされた場合など)病院を受診しましょう。
ご飯を食べないことがわがままでおやつを食べている場合や食が細いけれど活発に動き回っていることによる場合は様子をみても問題ありませんが、病気やストレスによる場合は、できるだけ早く対処してあげることが望ましいです。
【まとめ】
ここでは、犬がご飯を食べない理由や対処法についてご紹介しました。犬がご飯を食べない理由は、食が細い、病気、ストレス、老化、わがままなどがあります。
病気、ストレス、老化の時や急にご飯を食べなくなった場合などは動物病院を受診しましょう。