獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
あなたは「良質なたんぱく質」と聞いてどんなものを思い浮かべますか?
新鮮なお肉?それとも筋肉に必要な栄養素でしょうか?
今回はよく耳にする「良質なたんぱく質」についてお話したいと思います。
そもそもたんぱく質とは?
「たんぱく質と言えば、筋肉の材料」
あなたもこんなイメージを持っているのではないでしょうか。
確かに筋肉を作るもとではありますが、筋肉の他に臓器や血液、骨、皮膚、爪、被毛などもたんぱく質でできています。
たんぱく質は炭水化物、脂質とあわせて「三大栄養素」と呼ばれ、犬の身体を作るだけでなく、エネルギー源になったり、身体の機能を調整する働きに必要となったりと、“生命の維持”には欠かせません。
では、たんぱく質であればどんなものでも良いのでしょうか?
良質なたんぱく質とは?
<たんぱく質とアミノ酸>
たんぱく質とは20種類の「アミノ酸」という小さな物質がつながって作られている栄養素です。アミノ酸は、体内で合成できるもの、できないものと分かれています。体内で合成できないものを「必須アミノ酸」と呼び、食べ物から摂取しなければなりません。
<良質なたんぱく質とは>
必須アミノ酸及び非必須アミノ酸が不足すると、体が必要とするたんぱく質を十分作ることができません(筋肉低下、被毛の艶が悪くなる、免疫力の低下など)。非必須アミノ酸も十分含まれ、必須アミノ酸がバランスよく含まれたたんぱく質を摂取することがとても大切になります。
この必須アミノ酸バランスが良いたんぱく質のことを「良質なたんぱく質」と言います。
良質なたんぱく質の食材とは?
たんぱく質には動物性たんぱく質と植物性たんぱく質があります。
動物性たんぱく質には「肉」と「魚」「卵」があります。食材として「牛肉」「豚肉」「鶏肉」「鴨肉」「ラム肉」「サーモン」「白身魚」などです。動物性たんぱく質のほうがより消化吸収しやすい傾向があります。
植物性たんぱく質は動物性たんぱく質より消化吸収しにくい傾向があるようですが、脂質が少なく低カロリーです。しかし必須アミノ酸のバランスがあまりとれていないため動物性たんぱく質と一緒に摂取することが望ましいです。食材は、「豆腐」「おから」「豆乳」「粒状大豆たんぱく」などです。
動物性、植物性に関わらずたんぱく質は食物アレルギーを発症するケースもあるため、愛犬に合う食材を選びましょう。
【まとめ】
ここでは、良質なたんぱく質の必要性、たんぱく質について解説しました。
良質なたんぱく質を摂取することは健康に保つためにも大切なことです。しかし、良質なたんぱく質をたくさん与えればいいというわけではありません。たんぱく質、炭水化物、脂質、ミネラル、ビタミンなどの栄養素をバランスよく配合することが大切です。
犬には良質なたんぱく質をバランスよく配合した食事を与えるようにしましょう。
ドッグフードを選ぶ時には原材料を確認することをおすすめします。