獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
良質なタンパク質は犬の健康のためにも大切な栄養素です。しかし、過剰に摂取してしまうことや不足してしまうことは犬の健康を害してしまうことがあります。
若い時期は特に問題なく生活できていても歳を取るごとに何らかの影響を与える可能性もあります。
ここでは、タンパク質が不足した時過剰な時はどうなるのか解説します。
タンパク質が不足すると?
タンパク質はエネルギー源となるほか、体の構成成分になったり、生理機能を整えるために働く栄養素なので不足してしまうと体の色んな部位で障害が起こります。
ここでは、タンパク質が不足した時にみられる症状について解説していきます。
1)体の様々な機能の低下
タンパク質が不足すると「体の様々な機能の低下」がみられることがあります。
タンパク質は臓器、血液、骨、細胞、筋肉など様々な部位に働く栄養素です。ホルモンの構成成分にもなっています。
そのため不足すると様々な障害が見られるようになります。
2)免疫力の低下
タンパク質が不足すると「免疫力の低下」がみられることがあります。
タンパク質は免疫を担う(抗体を作ったりする)栄養素です。そのためタンパク質が不足すると免疫力が低下します。
免疫力が低下すると病気になりやすくなるだけでなく感染症のリスクもあがります。
3)食欲不振
タンパク質が不足すると「食欲不振」がみられることがあります。食欲不振は様々な病気の症状としてみられます。
4)貧血
タンパク質が不足すると「貧血」がみられることがあります。
タンパク質は赤血球のヘモグロビンを作るための栄養素です。不足してしまうと貧血を引き起こします。
5)脱毛・皮膚のバリア機能の低下
タンパク質が不足すると「脱毛・皮膚のバリア機能の低下」がみられることがあります。
タンパク質は命に関わる部位から補給されていくため(エネルギー源となるほかの栄養素が不足すると、たんぱく質本来の働きをするよりも前にエネルギーを作る方に使わてれてしまいます)皮膚や被毛に十分の補給されなくなります。
食事中に必要十分な糖質(炭水化物)があれば、たんぱく質をエネルギーに使うことなく本来の働きに使えるのでたんぱく質節約効果が得られます。
タンパク質を摂りすぎると?
どんなに良質なものでもタンパク質は摂りすぎてしまうことも体によくありません。
ここではタンパク質を摂りすぎてしまった時の症状について解説します。
1)臓器に負担をかける
タンパク質を過剰に摂取すると「臓器に負担をかける」ことがあります。
タンパク質は一定の量しか体に吸収することができないため、過剰に摂取した分は燃焼される、脂肪として蓄積される、残りは老廃物となります。
たんぱく質は、炭水化物や脂質と違って、構造中に窒素が含まれています。代謝によってアンモニアができるのですが、これが有害なので、肝臓で無害な尿素に変換して腎臓から排泄されます。
そのため、過剰な量を摂取してしまうと、肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます。
2)腸内環境の乱れ
タンパク質を過剰に摂取すると「腸内環境を乱す」ことがあります。
消化吸収されなかったタンパク質は大腸に送られ悪玉菌の餌となります。
悪玉菌が増殖するため腸の運動が低下し、腸内環境を乱してしまいます。
【まとめ】
ここでは、タンパク質が不足した時過剰な時はどうなるのか解説しました。
タンパク質は犬の体を作るためにも大切な栄養素ですが、適切な量を摂取することが大切です。
栄養はバランス良く摂取することを心がけましょう。