獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
以前こちら↓の記事で「犬が草を食べる理由や、食べても大丈夫なのかどうか」についてお話しました。
こちらの記事では、犬にとって危険な植物について、犬に草を食べさせないようにするための対策方法、そして万が一危険な草を食べてしまったときの対処方法について、ご紹介いたしますのでぜひ参考にしてみてくださいね!
犬にとって危険な植物は?危険な部位とその症状も
◆朝顔
危険な部位:種子
症状:嘔吐・下痢・幻覚・血圧低下・瞳孔散大など。
◆すずらん
危険な部位:全体
症状:嘔吐・下痢、不整脈など。
◆パンジー
危険な部位:根茎・種子
症状:嘔吐・神経麻痺など。
◆桔梗
危険な部位:根
症状:嘔吐・下痢・胃腸炎・血圧低下・溶血など。
◆水仙
危険な部位:全体(特に球根)
症状:嘔吐・下痢・神経麻痺・血圧低下など。
◆マリーゴールド
危険な部位:全体
症状:下痢・嘔吐・食欲不振・皮膚炎・脱水症状など。
◆ハイビスカス
危険な部位:全体
症状:嘔吐・下痢・吐き気・食欲不振など。
◆ポインセチア
危険な部位:茎の樹液・葉
症状:嘔吐・下痢・皮膚炎・痙攣など。
◆そのほかの犬にとって危険な植物
危険な植物 | 危険な部位 | 症状 |
---|---|---|
モロヘイヤ | 種子・茎・若葉 | 嘔吐・めまいなど。 |
キョウチクトウ | 樹皮・根・枝・葉・花 | 皮膚のかぶれ・嘔吐・下痢・目の充血・不整脈・脱水症状・腹痛・震えなど。 |
コンフリー | 全体 | 肝障害 |
ベゴニア | 全体 | 下痢・胃腸炎・皮膚炎・けいれん |
よもぎ | 全体 | アレルゲン |
セイダカアワダチソウ | 全体 | アレルゲン |
漆科植物(漆、白膠木、ハゼノキなど…) | 樹皮・樹液 | 皮膚のかぶれ |
ユリ科の植物の球根(彼岸花や玉ねぎ、にんにくなど…) | 全体 | 腎不全・溶血 |
キク科の植物 | 全体 | 嘔吐・下痢など。 |
など…。
よく道端に生えている花もあるので不意に口にしてしまわないか、飼い主さんは不安になりますよね。
イネ科(燕麦、ハト麦など)の植物や笹は、アレルギーがなければ、食べても大丈夫な植物です(除草剤や殺虫・殺菌剤が散布されていなければ)。
犬が危険な草を食べてしまったときの対策方法
犬が万が一危険な草を食べてしまったら、すぐにかかりつけの動物病院へ受診して下さい。
特に下痢・嘔吐(特に血液が混じている場合)・大量のよだれ・血便・神経症状などが現れている場合、早急な手当が必要となります。
受診するときは、食べてしまった草を持っていくか、草の種類や食べてしまった部位を獣医師へ伝えられるようにしておいて下さい。除草剤散布がされていたかどうかがわかる場合は、そのことも伝えてください。
犬に草を食べさせないようにする対策方法は3つ!
● 犬用の市販の草を与える
● 食事をしっかりと与える
一日1食の子は、2~3回に分けて与えてあげると草を食べなくなる場合もあります。
● ストレスをできるだけ与えないようにする
愛犬が草を食べる事が好きな場合、無理に辞めさせてしまうのも心苦しいです。
そんなときは、犬用で販売されている安全な草がありますので、そちらを与えてみてください!
また、草を食べる原因がはっきりとしている場合は原因を取り除いてあげて下さい。
原因がまだわからないという場合は、お腹が極端に減らないよう食事をしっかりと与えて、できるだけストレスを与えない生活を心がけてみてくださいね!
【まとめ】
犬にとって危険な植物は、道端でよく見るお花も含まれています。
お散歩中、目を離した隙に口にしてしまう可能性も十分ありえますので、特に植物が多い道をお散歩コースにしている飼い主さんは、愛犬から目を離さないよう注意が必要です!
万が一、危険な植物を口にしてしまった場合は様子を見ずに、すぐに動物病院へ受診するようにしましょう。