犬の寿命を縮めるNG習慣とは?飼い主が今すぐ見直すべき4つの行動

「うちの子、一体何歳まで生きられるんだろう?」

愛犬と暮らすすべての飼い主さんが、一度は考えたことのある疑問ではないでしょうか。近年、医療技術やドッグフードの質の向上により、犬の平均寿命は約15歳と大きく延びています。

しかし、中には適切なケアを怠り、寿命を縮めてしまうかもしれないNG行動をしてしまっている飼い主さんも少なくありません。

この記事では、獣医師監修のもと、愛犬の寿命を縮めてしまう可能性のある4つのNG習慣を具体的に解説します。愛犬と1日でも長く一緒にいるために、今日から見直せるポイントを一緒に確認していきましょう。

 

この記事を読めば、以下のことがわかります。

  • 犬に与えてはいけない、人間の食べ物とそのリスク
  • 愛犬がストレスを抱える原因とサイン
  • 犬種や年齢に合わせた適切な散歩の量と質
  • 外飼いが犬の寿命を縮める科学的な理由

 

NG習慣① 人間の食べ物を与える

 

愛犬が「おねだり」する姿はとても愛らしいものですが、その度に人間の食べ物を与えてしまうのは、愛犬の寿命を縮める大きなNG習慣の一つです。

なぜなら、人間と犬とでは、必要な栄養素や消化機能が全く異なるからです。

 

犬にとって危険な食べ物とリスク

人間には無害でも、犬にとっては中毒症状を引き起こす危険な食べ物がたくさんあります。

  • ネギ類(玉ねぎ、長ネギ、ニラなど):赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こします。
  • チョコレート:含まれるテオブロミンという成分が心臓や神経に作用し、嘔吐、下痢、けいれん、重篤な場合は死に至ることもあります。
  • キシリトール:低血糖症を引き起こし、肝不全になる可能性があります。
  • ぶどう・レーズン:少量でも急性腎不全を引き起こす可能性があります。

これら以外にも、アボカド、アルコール、カフェインなども犬にとっては有害です。また、犬に必要な栄養素が含まれていない人間の食べ物を継続的に与えることは、栄養バランスを崩し、様々な病気の原因となります。

 

NG習慣② 継続的なストレスを与える

 

愛犬の寿命は、体の健康だけでなく、心の健康にも大きく左右されます。継続的なストレスは、犬の心身に深刻なダメージを与え、寿命を縮める原因となります。

 

知らず知らずにストレスをかけていませんか?

飼い主にとっては良かれと思った行動が、実は犬にストレスを与えていることがあります。

  • 過度な「しつけ」や叱りつけ:常に叱られる環境では、犬は恐怖や不安を感じ続けます。
  • 長時間の留守番:寂しさや退屈から、分離不安症などの心の病気を発症することがあります。
  • 構いすぎ:犬にも一人の時間が必要です。過剰なスキンシップは、犬にとって負担になることがあります。
  • 飼育環境の変化:引越しや家族構成の変化は、犬に大きなストレスを与えます。

 

ストレスが引き起こす体の不調

ストレスは、自律神経や免疫機能のバランスを崩し、様々な病気を引き起こすリスクを高めます。また、体内で「活性酸素」を増加させ、細胞を傷つけ、老化を加速させることもわかっています。

愛犬が体を執拗に舐める、食欲不振、下痢、嘔吐、無駄吠えなどのサインを見せたら、それはストレスのサインかもしれません。愛犬のストレスを減らすために、安心して過ごせる環境と適切なコミュニケーションを心がけましょう。

 

NG習慣③ 運動不足、または過剰な運動

 

「散歩は毎日行っているから大丈夫」と思っていませんか?大切なのは、単に散歩をするだけでなく、愛犬に合った「適度な」運動をさせることです。

 

犬種や年齢に合わせた適切な運動量

運動が少なすぎると、肥満や筋力低下、認知機能の低下につながります。逆に、多すぎる運動は、関節や心臓に負担をかけ、怪我や病気のリスクを高めます。

  • 小型犬:散歩は1日2回、各20分程度でも十分なことが多いです。
  • 大型犬:運動量が多いため、1日2〜3回、各30分〜1時間程度の散歩が理想です。
  • シニア犬:足腰が弱ってくるため、短い時間(10〜15分)の散歩を数回に分けて行うのがおすすめです。

散歩は、体力維持だけでなく、社会性を育み、脳への刺激を与えることで認知症予防にもつながります。

 

NG習慣④ 犬を外で飼う

 

現代において、犬を外で飼うことは、寿命を縮める大きなリスクを伴う習慣です。室内飼いの犬と比較すると、外飼いの犬の寿命が短いことが多くの研究で示されています。

 

外飼いが寿命を縮める科学的理由

  • 気候変動による体への負担:近年、日本の夏は気温が35℃を超えることが珍しくなく、熱中症のリスクが非常に高まっています。また、冬の厳しい寒さは、特に老犬や体の弱い犬にとって大きな負担となります。
  • 感染症・寄生虫のリスク増:蚊を介して感染するフィラリア症や、ノミ、マダニなどの外部寄生虫に感染するリスクが高まります。また、他の動物との接触により、予期せぬ感染症にかかる可能性もあります。
  • 病気の発見の遅れ:飼い主の目が届きにくいため、体調の変化(食欲不振、嘔吐、排泄物の異常など)に気づくのが遅れがちです。これにより、病気が進行してから発見されることが多く、手遅れになるケースも少なくありません。

これらのリスクを避けるためにも、愛犬はできるだけ室内で飼育し、常に健康状態をチェックできる環境を整えましょう。

 

よくある質問

 

Q1: 人間の食べ物を少しだけなら与えてもいいですか?
A: 少量でも中毒症状を引き起こす危険な食べ物がありますし、たとえ安全な食べ物でも、犬の健康を考えるとおすすめできません。犬に必要な栄養素はドッグフードで十分に摂取できるため、おねだりされても心を鬼にして与えないようにしましょう。
Q2: 犬のストレスサインはどんなものがありますか?
A: 体を執拗に舐めたり、自分の尻尾を追いかけたりする自傷行為や、食欲不振、下痢、嘔吐、震え、無駄吠え、破壊行動などが代表的なストレスサインです。これらの行動が見られた場合は、原因を特定し、できるだけ早く対処してあげましょう。
Q3: 外飼いの犬を室内飼いに切り替えることはできますか?
A: はい、可能です。愛犬の健康と安全のためにも、室内飼いへの切り替えを強く推奨します。最初は慣れないかもしれませんが、犬用のベッドやケージを用意し、安心できる自分だけの場所を作ってあげることで、徐々に慣れていきます。無理のない範囲で少しずつ室内で過ごす時間を増やしていきましょう。

 

 

まとめ|正しい知識と深い愛情が、愛犬の寿命を延ばす

 

愛犬の寿命を縮めてしまうNG習慣は、どれも少しの知識と意識で見直すことができます。

食事、ストレス、運動、そして飼育環境。これら4つのポイントを日々の生活の中で意識し、愛犬に合った適切なケアを続けることが、健康で長生きな生活につながります。

今回お話した中に、もし一つでも心当たりのある習慣があれば、この機会にぜひ見直してみてください。あなたの愛情と正しい知識が、愛犬との「最高の時間」をより長く、より豊かにしてくれるはずです。

 

 

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