犬の命を守る!夏に絶対NGな行動と熱中症から愛犬を守る対策

夏は楽しいイベントが多い一方で、愛犬と暮らす飼い主さんにとっては、特に注意が必要な季節です。

毎年、犬が熱中症で亡くなってしまうという悲しい事故が報告されており、愛犬の命を守るためには飼い主さんの正しい知識と行動が不可欠です。

この記事では、夏に絶対にやってはいけない犬へのNG行動と、愛犬を熱中症から守るための具体的な対策を詳しく解説します。

 

この記事でわかること

  • 夏に犬にしてはいけない具体的なNG行動
  • 熱中症のサインと正しい対処法
  • 適切な散歩時間と注意点
  • 安全な車内の過ごし方
  • 効果的な室温管理と水分補給
  • 被毛ケアの正しい知識
  • 夏に起こりやすいその他のトラブルと予防策

 

真夏の散歩は命に関わる!暑い時間の散歩は絶対に避ける

 

真夏の昼間や午後の暑い時間帯に犬を散歩に連れて行くのは、非常に危険です。特にアスファルトの路面は、私たちが想像する以上に高温になります。

  • アスファルトの表面温度: 気温が30℃の場合、アスファルトの表面温度は50〜60℃にも達することがあります。これは、目玉焼きが焼けるほどの温度です。
  • 肉球の火傷: 犬の肉球はデリケートで、高温のアスファルトに長時間触れると、深刻な火傷を負ってしまいます。火傷は水ぶくれやただれを引き起こし、細菌感染のリスクも高まります。
  • 熱中症のリスク: 犬は人間のように全身で汗をかくことができず、主にパンティング(ハァハァと息をすること)で体温を調節します。暑い環境では体温が上昇しやすく、短時間でも熱中症のリスクが著しく高まります。

 

適切な散歩時間と対策

夏の散歩は、早朝や日没後の地面の熱が冷めた時間帯を選びましょう。散歩に出かける前に、アスファルトに手を置いてみて、熱くないか確認する習慣をつけることが大切です。

  • 早朝・夜間の散歩: 午前6時〜8時頃まで、または午後7時以降など、気温が低い時間帯を選びましょう。
  • 靴やブーツの着用: 肉球保護のために犬用の靴やブーツを履かせることも有効です。
  • 水分補給: 散歩中もこまめに水分補給ができるよう、携帯用の水と水飲み皿を必ず持ち歩きましょう。
  • 冷却グッズの活用: 冷却ベストや首に巻くクールスカーフなども活用し、体温の上昇を防ぎましょう。

 

「少しだけ」が命取り!犬を車内に放置するのは厳禁

 

「ちょっとの間だけだから」「エアコンをつけているから大丈夫」という考えは、非常に危険です。犬を車の中に残して離れるのは絶対にやめましょう。

  • 急激な車内温度の上昇: エンジンを止めてすぐであっても、真夏の車内は急激に温度が上昇します。外気温が30℃を超える日には、車内はわずか10分ほどで50℃近くに達することもあります。エアコンをつけていても、エンジンを切ればすぐに温度は上昇します。
  • 熱中症の発症: 高温の車内に閉じ込められた犬は、あっという間に熱中症を発症し、最悪の場合、命を落とすことがあります。窓を少し開けていても、十分な換気にはなりません。

 

安全な移動のために

犬と車で外出する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 同伴者の確保: どうしても犬を車内に残す必要がある場合は、誰か一人が車内でエアコンを効かせたまま、犬と一緒に待機するようにしましょう。
  • 目的地での対策: 犬を同伴できる施設やカフェなどを事前に調べておくことが重要です。
  • 公共交通機関の利用: 短距離であれば、公共交通機関の利用も検討しましょう。

 

エアコンで冷やしすぎもNG!適切な温度管理を心がける

 

暑さ対策としてエアコンを使用することは大切ですが、冷やしすぎには注意が必要です。犬も人間と同じように、寒暖差に敏感で体調を崩すことがあります。

  • 犬にとって快適な室温: 一般的に、犬にとって快適な室温は25〜28℃、湿度は50〜60%が目安とされています。犬種や個体差、被毛の長さによっても適温は異なります。
  • 体調不良のリスク: 室温が低すぎると、体が冷えすぎて下痢や嘔吐、震えなどの症状が出ることがあります。特に、体の小さな子犬や高齢犬、持病のある犬は影響を受けやすいため、注意が必要です。
  • 冷風の直撃: エアコンの冷風が直接犬に当たらないように、ケージやベッドの配置を工夫しましょう。

 

効果的な室温管理のポイント

  • 複数箇所の温度確認: リビングだけでなく、犬がよく過ごす場所の温度も確認しましょう。
  • クールマットや扇風機の併用: エアコンだけでなく、クールマットや扇風機(犬に直接風が当たらないように)などを併用して、快適な環境を作りましょう。
  • 犬の様子を観察: 犬が寒がっていないか(震えていないか、丸まっていないか)常に様子を観察し、必要に応じて室温を調整しましょう。

 

脱水症状に直結!飲み水を切らすのは絶対に避ける

 

夏場は犬も人間以上に多くの水分を必要とします。飲み水を切らしてしまうと、脱水症状や熱中症のリスクが飛躍的に高まります。

  • 脱水症状のサイン: ぐったりする、口の粘膜が乾く、目のくぼみ、皮膚の弾力がない(つまんだ皮膚が戻りにくい)などの症状が見られたら、脱水症状の可能性があります。重度になると命に関わります。
  • 常時清潔な水を: 留守番をさせるときや夜間でも、犬がいつでも新鮮な水を飲めるように、複数箇所に水を用意しておくのが理想的です。

 

効果的な水分補給の工夫

  • 給水器の複数設置: 部屋の数カ所に水飲みボウルや給水器を設置し、いつでも飲める環境を整えましょう。
  • 水の種類: 水道水で問題ありませんが、浄水器を通した水やミネラルウォーターも良いでしょう。
  • ウェットフードの活用: ドライフードだけでなく、水分を多く含むウェットフードを食事に取り入れるのも効果的です。
  • 外出時の準備: 散歩や外出時には、必ず携帯用の水と水飲み皿を持ち歩き、こまめに水分補給をさせましょう。
  • 氷を与える: 適量の氷を舐めさせるのも、手軽な水分補給になります。

 

 

極端なサマーカットは逆効果!被毛の役割を理解する

 

見た目には涼しそうに見える極端なサマーカットですが、実は犬にとって逆効果になることがあります。

  • 被毛の役割: 犬の被毛は、単に体を覆うだけでなく、紫外線から皮膚を守る「日よけ」の役割や、外部の熱を遮断し、体温が急激に上昇するのを防ぐ「断熱材」のような役割も果たしています。
  • 皮膚の炎症・熱中症のリスク増: 被毛を短くしすぎると、皮膚が直接紫外線を浴びてしまい、日焼けによる皮膚炎や皮膚がんのリスクが高まります。また、直射日光による体温上昇を抑えられなくなり、かえって熱中症のリスクが高まることがあります。

 

夏場の被毛ケアのポイント

  • 適度なカット: 全くカットしないのではなく、通気性を良くするために毛量を調整したり、毛玉ができやすい部分を整える程度のカットに留めましょう。
  • ブラッシング: 毎日の丁寧なブラッシングで、抜け毛を取り除き、皮膚の通気性を良くすることが重要です。
  • シャンプー: 定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保ち、皮膚病を予防しましょう。
  • 皮膚の保護: 短毛種やサマーカットをした場合は、犬用のUVカットスプレーや薄手のクールウェアを着用させて、皮膚を保護することも検討しましょう。

 

熱中症になってしまったら?緊急時の対処法

 

万が一、愛犬が熱中症になってしまった場合は、迅速な応急処置と獣医師への連絡が重要です。

 

熱中症の主なサイン

  • 初期症状:
    • 激しいパンティング(口を開けてハァハァと激しく呼吸する)
    • よだれが増える
    • ぐったりしている、元気がない
    • 落ち着きがない、そわそわする
  • 重度な症状:
    • 歯茎や舌の色が赤黒くなる
    • ふらつき、歩行困難
    • 嘔吐、下痢
    • 痙攣
    • 意識の混濁、意識喪失

 

応急処置の手順

  1. 涼しい場所へ移動: まずはすぐに日陰やエアコンの効いた涼しい場所へ移動させましょう。
  2. 体を冷やす:
    • 濡らしたタオルや冷たいタオルで首、脇の下、内股など、太い血管が通っている部分を重点的に冷やしましょう。
    • 冷水で全身を濡らすことも効果的ですが、冷やしすぎないように注意し、体を震わせるようなら中断してください。
    • 扇風機などで風を当てて、気化熱で体温を下げるのも良いでしょう。
  3. 水分補給: 意識があるようなら、少しずつ水を与えましょう。無理に飲ませると誤嚥の危険があるので注意してください。
  4. 動物病院へ連絡: 応急処置をしながら、すぐに動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。処置後も速やかに病院へ連れて行き、獣医師の診察を受けてください。見た目に回復したように見えても、内臓にダメージを受けている可能性があります。

 

よくある質問

 

Q1: 夏バテ対策として、犬に与えても良い食べ物はありますか?
A1: 夏バテ対策には、水分補給が重要です。水分の多い野菜(きゅうり、スイカなど※種は取り除く)や果物(りんご、梨など※種は取り除く)を少量与えるのは良いですが、与えすぎると下痢の原因になることがあります。また、犬にとって有害な食品(ぶどう、玉ねぎなど)は絶対に与えないでください。
Q2: 犬が水をあまり飲みません。どうすれば良いですか?
A2: 水飲みボウルの数を増やしたり、水飲みボウルの素材や形を変えてみるのも良いでしょう。新鮮な水を常に用意し、散歩中もこまめに水分補給を促しましょう。ウェットフードを取り入れたり、少量の出汁で風味付けした水を試すのも有効です。あまりにも飲まない場合は、病気の可能性もあるため獣医師に相談してください。
Q3: 夏の犬のシャンプーは頻繁に行っても良いですか?
A3: シャンプーのしすぎは皮膚の乾燥を招き、皮膚のバリア機能を低下させる可能性があります。通常、月に1〜2回程度が目安ですが、犬種や皮膚の状態によって異なります。シャンプー後はしっかりと乾燥させ、皮膚トラブルを防ぎましょう。
Q4: 夏に車で移動する際、エアコンをつけていても注意すべきことはありますか?
A4: はい、エアコンをつけていても、直射日光が当たる場所に犬を置かない、エアコンの風が直接当たらないようにする、休憩をこまめにとり水分補給をする、などの注意が必要です。車内の温度は外気の影響を受けやすく、エアコンの効き具合によっては十分でない場合もあります。定期的に犬の様子を確認しましょう。
Q5: 子犬や高齢犬、持病のある犬の場合、特に気を付けることはありますか?
A5: 子犬や高齢犬、持病のある犬は、体温調節機能が未熟であったり、低下していたりするため、熱中症のリスクが非常に高いです。より一層、室温管理や水分補給に気を配り、長時間暑い場所に置かないようにしてください。散歩時間も短くしたり、獣医師と相談して適切なケアを行うことが重要です。

 

まとめ

 

夏の犬の健康と命を守るためには、飼い主さんの正しい知識と日々の細やかな配慮が欠かせません。

「これくらいなら大丈夫だろう」という油断が、取り返しのつかない結果を招くこともあります。

今回ご紹介したNG行為を避け、適切な暑さ対策を講じることで、愛犬が安全で快適な夏を過ごせるように最大限の努力をしていきましょう。

 

 

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