獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
前編では、犬は夏だけではなく冬や秋など寒い時期でも脱水症状が起こるとお話しました。
原因は主に水分不足で、水分不足になる原因は嘔吐や下痢、病気などが挙げられます。
では、前編に続き後半では症状や対策について主に解説していきます。
犬が脱水を起こしたときの主な症状・見分け方
▶食欲低下
▶元気が無くなる
▶嘔吐
▶下痢
▶舌を出し【ハァハァ】と荒い呼吸が続いている
▶いつもより皮膚に弾力が無い
▶おしっこが濃い
▶おしっこが少ない
など。
脱水症状を起こしているかどうかを飼い主さんが簡単に見分ける方法としては【皮膚つまみ】が有効です。
愛犬の背中もしくは腰の皮膚をつまんで離します。離してから元の状態に戻るまでの時間が2秒以内だと正常な目安です。
それ以上かかる場合は、すでに強い脱水を起こしている可能性もあります。
一度チェックしてみてくださいね!
※ただし、年齢・体格・つまむ場所によって時間が変わります。事前に健康な状態のときに皮膚をつまんで戻るまでの時間を測っておくことをおすすめします。
犬の脱水対策について
犬が脱水症状を起こさないようにするためには、こまめに水分補給をさせることです。
いつでも新鮮なお水を飲めるように、常備しておきましょう。
水をなかなか飲んでくれない場合は
▶ウェットフードに切り替える
▶フードをふやかして与える
▶水を入れている容器を変えてみる
※プラスティックよりステンレス、ステンレスより陶器の容器の方が水をおいしく感じられるようです
▶水を置く位置を変えてみる
※1箇所ではなく複数個所に水を置く
▶スポイトで飲ませてみる
▶水に風味付けをしてみる(ささみスープ、カツオだし汁などを少量混ぜてみる)
※ただし、いたまないようにまめに交換する必要があります
などの工夫をしてくださいね。
また、脱水症状を繰り返していたり、嘔吐や下痢などが続く、脱水症状に加え他の症状もある等の場合、なにかの病気が潜んでいる可能性があります。
早急に動物病院へ行き検査を受けましょう。
犬が脱水症状を起こしたら早急に動物病院へ
脱水症状は悪化すると命に関わる怖い症状です。
脱水症状を起こしているときは、口から与える水分量だけでは不十分だと言われています。
脱水を起こしたときの症状が見られた場合は、応急処置を行ったとしても早急に動物病院へ行くようにしてください。
もちろん、普段から脱水予防として水をこまめに与えることがとても重要となります。
【まとめ】
▶犬の脱水症状は主に食欲低下・元気低下・いつもより皮膚に弾力が無いなど
▶脱水が疑われる場合【皮膚つまみ】をしてみる
▶水をなかなか飲んでくれない場合はウェットフードに切り替えたり水を入れている容器を変えてみるなどの工夫が必要
▶脱水症状を起こしている場合は早急に動物病院へ行く
犬の脱水症状は最悪のケースで、亡くなってしまうこともあります。
「脱水症状があったから水を飲ませて様子を見ている」では、症状が悪化する恐れもありますので、症状が見られる場合は必ず早急に動物病院へ受診するようにしましょうね。
また、病気が原因で脱水症状を起こしている可能性も考えられます。
「最近お水を飲まなくなった」「嘔吐や下痢が続いている」など、体調の変化が少しでもある場合は早めに動物病院へ相談するようにしてください。