獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬の風邪について、前編では「犬は風邪を引くのか?」「犬の風邪はどんな症状?」について主に説明しました。
後編では、犬の風邪は人間にもうつるのかどうか、そして風邪の治療・予防方法、などについてお話していきます.。
ぜひ参考にしてくださいね。
犬の風邪は人間にもうつる?
犬の風邪は人間にはうつらないといわれています。反対に、人間の風邪も犬にうつることはありません。
ですが、犬同士の場合はうつります。
前編でもお話したとおり、犬が集団でいるペットショップや犬舎、施設などで感染が広がるのも珍しくはないのです。
また、多頭飼いのお家でも感染しやすくなります。
犬の風邪の予防方法について
犬に風邪の症状を引き起こす伝染病のうち、ワクチンで予防できるものについては、ワクチン接種をすることが、風邪の予防には大切なことです。
それとともに、
▶温度管理をしっかりとする
▶シャンプー後はしっかりと被毛を乾かす
▶風邪が疑われる子と同室で過ごさせない
▶犬の多く集まる場所は、清掃や衛生管理が行き届いているところを選択する
などに気を付けてあげましょう。
まずは、温度管理を飼い主さんがしっかりとしてあげることが大切です。
温度管理は暑すぎず・寒すぎない温度を保つことがポイントです。
夏は暑いからとクーラーをガンガンに効かせていると、犬にとっては寒いと感じることもあります。
冬のお散歩は寒いので防寒着を着せたり、シャンプーの後のドライヤーはしっかりするなど、体を冷やさないような気遣いが大切です。
また、すでに風邪を引いている子がいるのであれば、子犬でワクチンがすべて終了していない子や、免疫力が弱い子は治るまでは別室で生活するように心がけてください(食器や水のみのボウルも分けて使いましょう)。
犬の風邪の治療方法について
犬の風邪は、年齢や持病の有無によっては重症化する場合もあります。
中には、体力があり持病が無い子であれば、2週間ほどで症状が和らいでいく場合もあります。
この期間中はできるだけ安静にして、できるだけ早く回復できるように務めてください。
とはいえ、自己判断は危険です。
必ず動物病院へ行って、自然治癒で大丈夫そうなのか、それとも薬が必要なのかを判断してもらうようにしてくださいね。
犬の風邪でこんな症状があれば病院へ!
▶食欲がない
▶元気がない
▶鼻水に膿が混じっている
▶咳が長引く
▶目やにがある
▶発熱
▶下痢や嘔吐
などの症状が見られる場合は早急に動物病院へいきましょう。
放っておくと命に関わる病気もあるので、できるだけ早く連れていき早期治療に務めましょう。
犬の風邪に人間用の薬はNG!
人間が使っている薬の中には、犬に対して効果があるような薬がいくつかあります。
実際に動物病院では、人間が使っている薬を犬に処方することがあります。
だからといって、飼い主さんが勝手な判断で犬に人間の薬を与えるのは絶対にしないでください。
人間用の薬は、犬に処方するべきではない犬にとっては有害な成分が含まれているものもあるほか、量や回数などに気をつけなければいけないものもあります。
いずれにしても、飼い主さんの判断で人間用の風邪薬を与えるのはやめましょう。
【まとめ】
犬の風邪は人間にはうつりませんが、犬同士だとうつります。
とくに、多頭飼いをしている家庭は1頭が風邪をひくと全頭うつってしまうなんてことは珍しくないので、注意が必要です。
風邪の症状に加え元気がない、食欲がない、発熱や嘔吐・下痢を伴うなどの症状があれば、早急に動物病院へ連れて行ってください。
また、風邪の症状が軽いからとほうっておくのはNGです。必ず獣医師の診断を受けるようにしてくださいね!