獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
分離不安の犬は、飼い主さんと離れることで大きな不安を感じます。
そのため、安心してお留守番ができるように対策をすることで落ち着く可能性があります。
今回は、分離不安の基本的な対処法を3つ紹介します。分離不安の予防にもなりますので、ぜひ参考にしてください。
お留守番のトレーニングをする
まずは、飼い主さんと離れてひとりで過ごすことに慣らしましょう。
いきなり飼い主さんがいなくなると不安を感じてしまいますから、最初は数十秒間だけほかの部屋に移動して愛犬をひとりにするところからはじめましょう。
慣れてきたら少しずつ時間を延ばし、距離を取るようにします。
ほかの部屋にいる間おとなしく過ごせるようであれば、数十秒だけ外に出て様子を見てください。問題がなければ少しずつ時間と距離を伸ばしていきます。
ただし、留守番ができたことを褒めないというのが注意点です。
留守番を特別なできごとだと思わせないのがポイントです。
安心してお留守番ができる環境にする
分離不安の犬にお留守番をさせる際は、環境を整えることが大切です。
●ラジオやテレビをつけておく
●お気に入りのおもちゃを用意する
●飼い主さんの匂いがついた毛布などを置いていく
●狭くて薄暗い場所を用意する
基本は、ひとりでも寂しいと感じさせない環境にすることです。人間の話し声や音がすることで安心する犬には、ラジオやテレビをつけたまま出かけるのが良いでしょう。
また、普段あまり遊ばせないお気に入りのおもちゃを用意しておくのもおすすめです。夢中で遊ぶことで寂しさを紛らわすことができます。おやつを入れられる知育玩具があると便利です。
声をかけずに出かける
お出かけの際は、ついつい「行ってきます」と言いたくなるかもしれませんが、あえて声をかけずに出かけます。
理想は、お出かけの30分くらい前から声をかけないようにして、気付いたら飼い主さんがいなかったという状況です。
分離不安の犬は、飼い主さんが出かける準備をはじめるだけで不安になりますので、なるべくいつもどおりにして、出かけることに気付かれないようにします。
お留守番は特別なことではない、飼い主さんがいなくても平気だと思わせることができれば成功でしょう。
【まとめ】
分離不安の愛犬には、お留守番中に寂しさを感じさせずに安心して過ごせる環境をつくることが重要になります。
そのためには、お留守番に慣れてもらうこと、不安を感じさせない環境づくりに加えて、日ごろの接し方にも注意しましょう。
それでも改善が見られない、自分では対処できないと感じたら、早めに獣医師に相談することをおすすめします。