愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

病気

犬も「うつ病」になる?

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

犬にもうつ病ってあるの?


犬は人間の言葉を話せませんので、人間のように症状を訴えることはできません。

そのため、正確に「この犬はうつ病です」と診断するのは困難です。

しかし、犬にも人間のうつ病に似た症状が見られることがあり、抗うつ剤の処方で症状が改善するケースもありますので、実質的には「犬にもうつ病はある」と考えられるでしょう。

犬のうつ病で見られる6つの症状


犬がうつ病になるとどんな症状があらわれるのでしょうか?犬に特有の症状もありますが、多くは人間のうつ病と同様です。

ここでは、うつ病の犬に見られる代表的な6つの症状を紹介します。

愛犬に以下の症状が当てはまる場合は、うつ病の可能性があります。獣医師に相談することをおすすめします。


犬がうつ病になったときによく見られる症状が食欲がなくなるです。

食欲旺盛だった愛犬が突然食べなくなったらうつ病を疑う必要があるかもしれません。

反対に、ストレスや不安から逃れようとするのか、食欲が過剰になる犬もいます。


急に無気力になるというケースも少なくありません。

帰宅時に毎回出迎えてくれていた愛犬が突然出てこなくなった、遊びや散歩に誘ったのに反応しない、だるそうに寝そべったまま動かないなどは、うつ病の初期によく見られるサインです。


うつ病になると睡眠時間が長くなる場合もあります。

もともと1日の半分以上を寝て過ごす犬ですが、ちょっとした物音に対して吠えたり音がした方向に行ったりするのが普通です。

それがうつ病になると、いつもなら反応しているはずの物音がしても平然と寝ているケースが増えるでしょう。


同じ行動を何度となく繰り返す常同行動もうつ病の犬に見られる症状です。

自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回りつづけたり、前足など体の同じ場所をずっと舐めつづける、同じ場所を何度も行ったり来たりを延々繰り返しているような場合、強いストレスなどの疑いもありますが、うつ病の可能性も否定できません。


元気いっぱいだった犬が突然おとなしくなったり、反対に急に攻撃的になったりした場合、うつ病を疑う必要があります。

犬の態度や行動パターンの不自然な変化はストレスや不安から逃れようとする本能的なもので、これもうつ病の犬に多く見られる症状です。


犬がうつ病になると粗相が増える傾向があります。

それまでは、きちんとトイレでできていた犬が頻繁に失敗するようになったというときは、やはりうつ病が疑われます。

この場合、症状を悪化させる可能性がありますので、しからないように注意してください。

(上記の症状は、ほかの疾患がある場合、痛みや痒みがある場合にも認められることがあるので、そういったものの除外診断も必要になります。)

犬のうつ病の原因とは


犬がうつ病になる原因には、以下のようなことが考えられます。

● 家族や仲の良い友だちとの別れ
● 引っ越しなどによる環境の変化
● 散歩や運動の時間が不足
● 飼い主さんの家庭内の不和
● 留守番が多い
● 退屈な時間が長い
● とても怖い目にあった


ほかにもうつ病につながる原因やきっかけはあります。

もし、愛犬にうつ病を疑わせる症状があらわれていたら、このようなことがなかったか確認してください。

【まとめ】


ストレスの多い現代社会において、発達した脳と豊かな感情を持つ犬は、人間同様にうつ病になると考えられます。

今回紹介したような症状が愛犬にあらわれたら、早めに獣医師に相談することをおすすめします。症状が軽いうちなら適切に対応することで改善できる可能性があります。


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