獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬も人間と同じように強いストレスや不安を感じ続けることでうつ病になることがあります。
とくになりやすい犬種などもなく、どの犬も平等にうつ病になってしまう可能性を秘めています。
今回は、愛犬がうつ病かも?と思ったときの対応やうつ病の治療と予防についてお話したいと思います。
うつ病の症状が見られたら心のケアを
うつ病の症状が見られたら、愛犬の心の負担になることはなかったか、コミュニケーションは足りていたかなど原因を探ってみましょう。
もし思い当たることがあるのならば、解決するにはどうしたら良いか考えてみてください。
さらに、日常生活のなかで心のケアとして以下の点を心がけるようにしましょう。
● いっしょに過ごす時間を増やす
● なるべく留守番をさせない、留守番中寂しくならないような工夫をする
● 愛犬といっしょに遊ぶ
● 散歩の時間をたっぷりととる
● ドッグランなどで思いっきり走らせる
● 愛犬の前でイライラしている様子を見せない
愛犬が楽しい、うれしいと感じることをたくさん経験させて、ストレスを発散すること、ポジティブな気持ちになれるようにすることが大切です。
愛犬の性格も考えながら適切な対策を考えましょう。
犬のうつ病の治療
もし、上記のことを心がけても改善が見られないときは、早めに獣医師に相談しましょう。
うつ病の症状が重い場合は、不安を和らげる作用のある抗うつ剤や抗不安薬などを処方されることが多いです。
※薬の処方のほか、不安作用を軽減するのに役立つサプリメントや緊張を和らげるのに役立つサプリメントなどが勧められることもあります。
同時に、ストレスを軽減する、犬との接し方を改める、生活環境の改善などにも努めます。
どうしても症状が改善しない場合は、心療内科の治療や問題行動の診療をおこなっている動物病院で専門の獣医師に相談する方法もあります。
愛犬のうつ病を予防するためにできること
うつ病の予防では、愛犬のストレスを減らし、快適な環境づくりを心がけることが大切です。
たとえば以下を心がけるだけでも予防につながります。
● 短時間でもいっしょに過ごす時間をつくる
● 長時間の留守番を避ける
● 留守番中、音(ラジオ、テレビなど)を流す、夢中になれるおもちゃ(知育玩具)を置いていく
● 毎日の散歩と遊びをおこなう
犬は群れで暮らす動物ですから、1匹で過ごすのが苦手なことも多いです。
とくに寂しがり屋の犬にとっては、留守番は不安で寂しい時間です。
また、飼い主さんとのコミュニケーションが不足しがちになると、ストレスを感じやすくなり、うつ病の原因にもなりかねません。
忙しいときにもほんの数分だけでかまいません。毎日愛犬といっしょに過ごす時間をつくるようにしましょう。
【まとめ】
犬も人間と同様にうつ病になってしまう可能性があります。
しかも、最近はうつ病の犬が増えていると言います。
今後は犬のうつ病も人間のうつ病のように決して珍しい病気ではなくなっていくのかもしれません。
予防に努めるのはもちろんですが、愛犬がうつ病になってしまったときにどのように対応するべきなのかを知っておくことも大切なのではないでしょうか。