獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬の舌の色は基本的にピンク色ですが体調の変化により色が変わることがあります。犬の舌の色について知ることにより病気の早期発見につなげることもできるので覚えておくことがおすすめです。
ここでは健康的な色、問題のある色、病気について紹介していきます。
犬の舌の色
犬の舌の色は基本「ピンク色」をしています。中には健康状態でも黒い斑のような模様がついていることもあるため、黒いからと言って健康ではないという判断はできません。
犬が元気なときから健康な舌の色を確認しておきましょう。
問題のある色とは?
犬の舌の色は体調不良に気がつくための大事なポイントでもあります。
ここでは問題のある色についてご紹介します。
1)白色
白っぽい色をしているときは「貧血」の可能性があります。軽度の貧血であれば舌の色が変わることはほとんどありませんが、重度の貧血の場合は舌の色が白っぽくなります。
犬の舌の色が白っぽいと感じるときには早めに動物病院を受診しましょう。
2)青紫色
青紫色をしているときは「チアノーゼ」を起こしている可能性があります。チアノーゼとは舌、歯茎や口の中の粘膜が青紫っぽくなります。
血液中の酸素が不足しているときにみられる症状なため、心疾患や呼吸器疾患などの可能性があります。
舌の色から分かる病気とは?
舌の色をみることで何らかの病気を見つけるケースもあります。
ここでは舌の色から分かる病気についてご紹介します。
1)腫瘍や膿疱
犬の舌が赤く腫れている、ただれている、しこりのようなものがある状態は「腫瘍」と「膿疱」の可能性があります。腫瘍として悪性黒色腫(メラノーマ)や扁平上皮癌、繊維肉腫などです。
舌の腫瘍は悪性腫瘍のことが多く、何か変化がみられるときはすぐに動物病院を受診しましょう。
2)心疾患
犬の舌が青紫色になっている場合「心疾患」の可能性があります。心疾患により血液がうまく循環することができず、酸素不足によりチアノーゼの状態になります。
舌の色が変化をするときは病状が悪化している可能性が高いためすぐに動物病院を受診しましょう。
心疾患は症状が進行しないと症状がみられないことがあります。定期的に健康診断を行い病気の早期発見につなげることが望ましいです。
3)呼吸器疾患
犬の舌が紫色になっている場合「呼吸器疾患」があげられます。肺や気管に異常がみられることで酸素の循環が悪くなります。
呼吸器疾患は悪化すると呼吸困難に陥る可能性があるため早めに動物病院を受診することが望ましいです。
【まとめ】
ここでは健康的な色、問題のある色、病気について紹介しました。
犬の舌の色は基本的にピンク色ですが何らかの病気により色が変化することがあります。犬の舌の色が変化する症状は何らかの病気が関係しているケースもあり、動物病院の受診がおすすめです。
犬の舌で気になることがあれば早めに対処するようにしましょう。