「脳梗塞=人間の病気」というイメージが強いですが、実は犬にも脳梗塞が起こることがあります。
人間に比べれば発症率は低いものの、運動障害や意識障害などの深刻な症状が出る場合もあり、後遺症が残るリスクも否定できません。
ここでは、犬の脳梗塞とはどのような病気なのか、その症状や原因についてわかりやすく解説します。
犬の脳梗塞ってどんな病気?
犬の脳梗塞とは、脳の血管が詰まり、血流が途絶えることにより脳組織がダメージを受ける病気です。
中高齢の犬に多く見られる傾向がありますが、犬種による差は特にありません。
以前は診断が困難とされていましたが、MRIやCTといった画像診断技術の進歩により、発見される機会が増えてきました。
血管が詰まった部位によって現れる症状はさまざまで、意識障害・運動失調・けいれん発作などが代表的です。
脳梗塞は進行度合いによって予後が大きく変わるため、早期発見と迅速な対応が重要になります。
犬の脳梗塞の症状
発症後、数時間から数日の間に症状が現れるとされており、以下のような異常が見られた場合は要注意です。
- ふらついて歩く
- 立てなくなる
- 首が傾く(斜傾)
- 目が揺れる(眼振)
- けいれん発作
- 意識がぼんやりする・反応が鈍い
これらの症状は、24~72時間ほどで悪化した後に安定・または回復していくケースが多いとされています。
しかし、後遺症が残ることもあるため、油断せずに早期に獣医師へ相談することが大切です。
犬の脳梗塞の原因
犬の脳梗塞の直接的な原因は明らかになっていませんが、複数の疾患や体調不良が引き金となっていると考えられています。
代表的な関連要因は以下の通りです:
- 内分泌疾患(甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症)
- 脱水症状
- 心臓病
- 高脂血症
- 血栓症
- 動脈硬化
特に脱水やホルモン異常、循環器疾患などを併発しているケースが多く、基礎疾患の早期管理も脳梗塞予防につながる可能性があります。
【まとめ】
犬の脳梗塞は、命に関わることは比較的少ないものの、後遺症のリスクが伴う重大な病気です。
ふらつき・頭の傾き・歩行障害などの異常が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。
早期発見・早期治療が、愛犬の回復や後遺症の軽減につながります。