犬にも脳梗塞が起こる可能性があることをご存じでしょうか?
犬の脳梗塞とは、脳内の血管が詰まり、血流が途絶えることで脳が正常に機能しなくなる病気です。
発症頻度は人間より低いとされていますが、実際に発症すると「意識障害」「けいれん」「ふらつき」などの症状が現れることがあります。
今回は、犬の脳梗塞における診断方法・治療法・予防の考え方について詳しく解説します。
犬の脳梗塞の診断・検査方法
脳梗塞が疑われる場合、まず神経学的検査が行われ、歩行状態や脊髄反応、目の動き、意識レベルなどをチェックします。
その後、MRIやCTなどの画像診断によって、脳内の病変部位を特定し、確定診断を下します。
また、脳梗塞の背景には、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能亢進症、心疾患などが関係している場合もあります。
そのため、以下のような追加検査が行われることがあります:
- 血液検査
- ホルモン検査
- 凝固機能検査
- 超音波検査
- 身体一般検査
犬の脳梗塞の治療法
犬の脳梗塞では、発症から時間が経過しているケースがほとんどのため、外科手術が選ばれることは稀です。
その代わり、対症療法が中心となり、次のような薬剤が用いられます。
- 血栓溶解剤
- 利尿剤
- 降圧剤
- ステロイド剤
また、内分泌疾患や心疾患が原因である場合は、それらの治療も同時に進められます。
症状が落ち着いた後は、必要に応じてリハビリテーションが行われ、運動機能やバランス感覚の回復を促します。
犬の脳梗塞の予防法
現時点では、犬の脳梗塞に対する確立された予防法はありません。
しかし、異変にいち早く気づくことが、重症化の予防には非常に重要です。
以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう:
- 歩き方がぎこちない、ふらつく
- 反応が鈍い
- 頭を傾ける
- 視線が定まらない
【まとめ】
犬の脳梗塞は、どの犬にも起こり得る病気であり、決して珍しいものではありません。
残念ながら、明確な予防法は存在しないため、日々の観察が何より重要です。
「少し変だな」と思ったら、すぐに獣医師に相談し、早期診断・早期治療を心がけましょう。