こんにちは、島田です。
犬の乳がんは早期発見が何より大切です。進行が早いと言われるため、「万が一、愛犬が乳がんになったら治らないのでは…」と不安に思う方もいるでしょう。
確かに、犬の乳腺腫瘍の約50％が悪性（乳がん）とされ、避妊手術をしていないメス犬に多く見られます。しかし、決して“治らない”病気ではありません。
今回は、乳がんの手術の必要性、早期発見のポイント、そして予防策についてわかりやすく解説します。
乳がんは手術が必要？
乳腺腫瘍は、良性・悪性にかかわらず早期のうちに手術を行うことが推奨されます。
- 良性腫瘍でも、悪性化するリスクがあるため
- 大きくなる前に切除したほうが、愛犬の身体への負担が少ないため
特に、直径1cm以下の良性腫瘍なら、ほぼ100％根治が期待できます。悪性の場合も、約50％は手術で完治できるとされ、合計で腫瘍全体の約75％は根治の可能性があります。
ただし、以下のケースでは手術対象とならないこともあるため、必ず獣医師と十分にご相談ください。
- すでにリンパ節や肺への転移が認められる場合
- 炎症性乳がんの可能性が高い場合
- 高齢や基礎疾患により手術リスクが高い場合
乳がんの早期発見のためにできること
乳がんは初期に自覚症状がほとんどなく、目視でしこりを確認しづらいのが現状です。
早期発見のコツは、日頃のブラッシングや撫でる際に胸部を優しく触り、乳頭の周りに“コリッ”としたしこりを感じたらすぐに動物病院を受診することです。
乳がんの予防
犬の乳がん予防には、発情前（初回の発情前）に避妊手術を受けるのが最も効果的です。これは、女性ホルモンの影響が乳腺腫瘍発生に関与しているためです。
避妊手術を受けた時期別の乳腺腫瘍発症率は以下の通りです。
- 初回の発情前：0.5％
- 初回～2回目の間：8％
- 2回目～3回目の間：26％
ご覧のとおり、できるだけ早い段階で避妊手術を行うほどリスクを大幅に減らせます。
まとめ
犬の乳がんは、初期では発見が難しいものの、避妊手術による予防効果や日々のしこりチェックで早期発見が可能です。万が一、悪性が疑われても、早めに手術を行えば根治の見込みがあります。
気になるしこりを見つけたら、できるだけ早く獣医師にご相談ください。愛犬の健康を守るための大切な一歩です。