獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
年末年始はイベントや帰省などでなにかと忙しくなりますので、どうしても愛犬から目を離してしまいがちです。
ちょっとした隙に人間用のご飯を食べてしまった、気づいたら掃除道具をくわえていたなど思いがけないトラブルが多いようです。
そこで今回は、年末年始にありがちな事故やNG行動とその注意点についてお話します。
年末年始は誤飲誤食が増える
年末年始は犬の誤飲誤食が増える時期です。好奇心旺盛な1歳までの子犬はとくに要注意です。
クリスマスに飾ったポインセチア、プレゼントのリボン、大掃除の洗剤など普段は見慣れないものも多く、興味津々でつい口にしてしまうことも。
また、鶏の骨の取り扱いにも注意してください。
おいしい匂いが残っている骨は食いしん坊の犬にとってはごちそうです。
鶏の骨は、縦に裂けやすく尖った先端がのどや食道、胃腸などを傷つけてしまう危険があります。
また、焼き豚やローストビーフのタコ糸、ひもも要注意です。
人間の食べ物のお裾分けはNG
お正月は家族や親戚、友人などと集まって飲食をする機会も増えるでしょう。
お酒が入って、油断していたら人間の物を食べられてしまった、来客が犬に与えてはいけないものを食べさせてしまったという事故も起きがちです。
来客には、犬に食べ物を与えないように事前にお願いしておきましょう。
年末年始には、とくに以下の食べ物に注意してください。
● ケーキのクリーム
● おもち
● アルコール類
● 黒豆
● 数の子
● 生のエビ、イカやタコの刺身
大掃除の洗剤の取り扱いは厳重に
大掃除では、洗剤の取り扱いには十分に注意してください。
掃除をする際にいろんな洗剤をつかうと思いますが、犬が誤って洗剤を舐めてしまうと大変危険です。
面倒でも都度かたづけるようにして、出しっぱなしは避けるようにしましょう。
また、塩素系の洗剤やアルコールが含まれている洗剤を使用する際は、十分に換気をおこなってください。
可能であれば、重曹やクエン酸など犬にとって危険性の低いものを使うのがおすすめです。
疲れやストレスによる体調不良に注意
年末年始はお出かけする機会が多く、来客も増えるため、疲れやストレスをためやすい時期です。
疲れやストレスがつづくと、元気な犬でも胃腸の調子が悪くなったり、持病が悪化したりしやすくなります。
また、老犬や子犬は体力がないため体調には十分に注意が必要です。
お出かけの際には、かならず体調を確認し、少しでもおかしいなと感じたら中止しましょう。
年末年始にも診てもらえる動物病院を確認しておく
年末年始はお休みになる動物病院も多いです。あらかじめかかりつけの病院の休診日や緊急時の対応について確認しておきましょう。
また、急患の受け付けをしていても、連絡がつかない場合も考えておく必要があります。
念のため近隣の動物病院の休診日や診察時間、電話番号も確認し書き出しておくといざというときにも慌てずにすみます。
帰省など遠出の予定がある場合は、滞在先の動物病院についても調べておきましょう。
【まとめ】
クリスマスに大掃除、お正月など年末年始はイベントが盛りだくさんの時期です。
いつもと違う様子に犬もそわそわ、ワクワクしているかもしれません。
いつも以上に愛犬の様子に気を配り、体調不良や思わぬ事故に注意しましょう。