愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

しつけ

犬の早食いは危ない?!

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

早食いでお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

犬が早食いをする理由


犬が早食いなのは、丸飲みをする動物であること、群れで暮らしていた動物であることが関係しています。


犬はもともと肉食だったこともあり、内臓、消化器が肉食に適した構造になっています。

歯の形状も、肉を噛みちぎるのには適していますが、食べ物を噛んですりつぶすようにはできていません。

そのため、しっかりと噛んで食べるということがないのです。

また、人間は噛んで食べることで、消化酵素のひとつである「唾液アミラーゼ」の分泌を促しますが、犬は唾液アミラーゼが分泌されません。

そのため、噛んで食べる必然性がないとも言われています。


犬の祖先であるオオカミは、群れで暮らし狩りをしていました。

そのため、獲物を捕ることができなければ、食事にありつくことができませんでした。

さらに、獲物が捕れた場合にも、たくさん食べられるのは強い個体です。

ですから、食べるチャンスがあれば、少しでも多く食べて栄養を蓄えておく必要がありました。

そのためには、仲間よりも早く食べなければならなかったのです。

犬の早食いのリスク


犬は早食いがあたりまえですが、だからと言ってリスクがないわけではありません。犬の早食いには以下のようなリスクがあげられます。

▶ のどに詰まらせる
▶ 誤嚥性肺炎を引き起こす
▶ 胃拡張の原因になる
▶ 吐きやすくなる


のどに詰まらせれば、窒息死のリスクがありますし、誤嚥性肺炎胃拡張も命にかかわる病気です。

また、早食いは同時に空気もたくさん飲み込むため、吐く原因になります。

犬の早食いを防止する方法


早食いは命にかかわる場合もあります。愛犬に合った方法でゆっくりと食べられるように対策をしましょう。


犬の早食いには、市販の早食い防止の食器がおすすめです。

食器の底に突起がついており、食べるのに時間がかかるようになっています。

ただし、突起のあいだに鼻を入れて食べる食器は短頭種には向いていません

逆に、鼻が細長い犬種は突起をうまく避けて食べてしまう場合もあるようです。

突起がなくても深めの皿にすると、やはり食べにくく早食い防止に役立つようです。

愛犬に合った形状の食器を選ぶようにしましょう。

食器の置き場所も、高い位置より低い位置に置くほうが、空気を飲み込む量も減らせるようです。


噛まないと飲み込めない大粒のフードに変えるのもおすすめです。

とくに、大型犬や超大型犬は、粒が小さいと早食いになりがちですから効果が期待できます。

また、食事の回数が少ないとお腹が空きすぎて早食いになる場合があります。

食事の回数を増やして空腹の時間を減らすようにすると良いでしょう。


群れで暮らしていた犬にとっては、食事は生存競争の時間でもあります。

ほかの犬がいると「取られないように早く食べよう」と早食いになりがちです。

多頭飼いの場合は、ケージに入れる、別々の部屋で食べさせるなど、それぞれが落ち着いて食べられる環境にしてあげましょう。

【まとめ】


犬の食事は丸飲みが基本なので早食いになりがちです。

しかし、早食いは命にかかわる病気の原因になることもあるため、ゆっくり食べられるように対策を講じる必要があります。

改善が難しい場合は獣医師に相談しましょう。


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