愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

病気

犬のおしっこで健康状態がわかる?!

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

こんにちは島田です。犬の尿は健康のバロメーターと言われています。

愛犬の排尿回数がいつもより多い、色が違うといったときは、病気の可能性が否定できません。

今回は、健康な犬の尿の状態や、尿の異常から考えられる病気についてお話していきます。

健康な犬の排尿回数・色・量について


健康な犬の排尿回数や色、量を知っておくことは愛犬の健康管理に役立ちます。

一般的に、子犬は1日7~10回、成犬は3~4回、シニア犬は5~6回が目安です。

正常な尿の色は、濁りのない薄い黄色と言われています。また、体重1kgあたりの1日の量は、20~45ml程度が平均です。

ただし、これらは目安であって、個体差があります。比較するのはあくまでも愛犬の正常な尿の状態であることに注意してください。そのうえで、尿の回数や色、量がいつもと違うなと思ったら動物病院を受診しましょう。

異常があるときの尿


犬の尿の回数や色などがいつもと異なる場合は、病気の可能性を疑います。

尿に以下のような変化が見られたときは注意しましょう。

  • 尿の色が赤い(血尿)
  • 尿の色が無色に近い
  • 濃い黄色~茶色がかった色の尿
  • 尿にキラキラしたものが混じっている
  • 排泄回数が増えた、排尿量が増えた


尿の色や状態からわかる犬の病気


犬の尿の異常が見られる場合、病気の可能性を考えなくてはなりません。ここでは、尿の状態ごとに考えられる病気を紹介します。

疑われるおもな病気

・膀胱炎
・尿石症
・腫瘍
・前立腺疾患(オス)
・子宮や膣の疾患(メス)


尿が赤いのは血が混じっている状態、いわゆる「血尿」です。血尿といっても出血量によって、全体的に赤くなるものから、薄いピンク色、トイレシーツに点々と赤い染みがつく程度のものまであります。

血尿には命に係わる重大な病気が隠れている場合もあります。気づいたら早めに動物病院を受診しましょう。


疑われるおもな病気

・腎不全
・糖尿病
・クッシング症候群
・尿崩症


尿色が薄くなるのと同時に水を大量に飲み、尿量が増えると言った症状(多飲多尿)が見られる場合はこれらの病気を疑います。

ただし、尿の色は飲水量にも影響されます。水をたくさん飲んだときに色が薄くなるのは普通です。一時的であれば心配はいりません。尿の色が無色に近い状態がつづく場合は、獣医師に相談してください。

疑われるおもな病気

・黄疸
・胆管肝炎
・肝臓がん
・胆石症
・溶血(血液が破壊されている状態)


茶色がかったオレンジ色の尿は、肝機能の低下や玉ねぎ中毒が疑われます。すぐにでも動物病院を受診し獣医師の診断を受けるようにしましょう。

疑われるおもな病気

・尿石症


尿がキラキラして見えるときは、尿石症が疑われます。

キラキラしているのは、尿の中のミネラル成分が結晶化したもので、尿石症や膀胱炎、尿道閉塞などの原因になります。早期発見・早期治療が重要です。

疑われるおもな病気

・腎臓病
・糖尿病
・膀胱炎
・クッシング症候群


犬の排尿回数は老化でも増えますが、急に増えたなと感じるときは病気が隠れているかもしれません。

排尿回数が急に増えた場合は、腎臓病や糖尿病などの内臓疾患の可能性を疑います。

まとめ

Young woman walking with Beagle dog in the summer park. Obedient pet with his owner


尿は愛犬の健康のバロメーターです。尿の異常から泌尿器や内臓などの疾患を発見することも少なくありません。

愛犬の健康管理のためにも、正常な状態の排尿の回数や色、量などをチェックして書き留めておくことをおすすめします。

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