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病気

犬の膝蓋骨内方脱臼(パテラ)の治療法と予防のポイントをご紹介

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

膝蓋骨内方脱臼の治療法


膝蓋骨内方脱臼の治療には、内科療法と外科療法の2つがあります。グレード(重症度)だけにとらわれず、犬の状況や症状などに合わせて選択されます。


軽症で目立った症状がない、もしくは、年齢や基礎疾患があるなどで手術が無理な場合内科療法を選択します。

内科療法の目的は、脱臼が悪化しないようにすること、そして現在の生活の質を落とさないようにすることです。根本的な治療ではないので完治することはありません。

悪化した際には、痛み止めを使用し、安静にして膝に負担をかけないようにします。

また、関節炎の症状を一時的に抑えるレーザー治療を行なう病院もあります。ただし、こちらも根本的な治療をするものではありません。


外科療法は、痛みがあったり、歩行に支障があったりする場合に選択されます。とくに、1歳未満の子犬は成長とともに骨が変形し、歩行に支障が出る可能性が高いです。そのため、積極的に手術が行われています。

また、症状が進み、骨に変形が見られるような場合は、骨を切るなどの特殊な手術が必要になります。

重症になると、手術の効果が低くなりますので、なるべく早い段階で手術を行なうのが良いでしょう。

膝蓋骨内方脱臼の予防


膝蓋骨内方脱臼のいちばんの予防は膝に負担をかけないことです。以下の点に注意し適切に対策をしましょう。


肥満になれば、当然膝に負担がかかりますが、痩せている場合も筋力の低下で膝に負担がかかってしまいます。愛犬の体格にあった適切な体重を維持するように心がけましょう。

体重の多い少ないは健康にも影響しますから、状況によっては獣医師に相談することをおすすめします。


フローリングなどの滑りやすい床は、踏ん張った際に膝に大きな負担がかかるため、脱臼を悪化させる原因になります。

滑らないようにマットを敷くなどして安心して遊べる環境にしてあげてください。

また、足の裏の毛が伸びていると滑る原因になりますので、定期的にチェックして必要ならばカットしましょう。


犬はソファーなどのちょっとした高さからのジャンプでも膝に負担をかけてしまいます。

できるだけ室内の段差を取り除き、高い場所に飛び乗ったり、飛び降りたりしないように対策をしましょう。

まとめ


膝蓋骨内方脱臼の治療には内科療法と外科療法があります。どちらが適しているのかは、犬の状態や症状によって変わってきますので、獣医師と相談のうえでよく検討してください。

また、膝蓋骨内方脱臼のリスクを減らしたり、悪化を防いだりするためにも適切な対策をしていきましょう。


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