獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
以前こちら↓の記事で「腸内環境が悪くなった場合の症状と原因」についてお話しました。
腸内環境が悪くなると犬の体にさまざまな悪影響を与えることがわかりましたが、腸内環境を改善するためにはどうしたらいいのでしょうか。
腸内環境は普段の生活から改善することができます。
ここでは、腸内環境を改善する方法についてご紹介します。
腸内環境を改善する方法とは?
1)ストレス解消
腸内環境を改善する方法として、ストレス解消があげられます。ストレスが溜まると、腸内環境のバランスを崩すだけでなく問題行動を引き起こすことがあります。
ストレスを解消するためには犬のストレスの原因を知りましょう。運動不足、睡眠不足、不衛生な生活環境、飼い主との分離不安もストレスの原因となるため、1つ1つ確認していくことをおすすめします。
2)良質な食事に変更する
腸内環境を改善する方法として、良質な食事に変更することがおすすめです。犬は肉食に近い雑食動物です。中程度のタンパク質を含み、5~6割程度の炭水化物を含む食事が良いようです。
高タンパク質食では、タンパク質が本来使用される目的に使われるわれる前にエネルギー源として使われてしまいます。適切な量の炭水化物を含むことでタンパク質節約効果(タンパク質をエネルギー源として使わずに済む)が期待できます。
食物繊維については、不溶性と水溶性のものがあり目的によって使い分けがあります。水溶性食物繊維の多くは、善玉菌の餌になります。それによって、善玉菌は、腸や体にとって有益なもの(短鎖脂肪酸、ビタミンなど)を作ってくれますし、腸内環境を整えてくれます。不溶性の繊維は有害物質を取り込んで排泄してくれたり、腸の蠕動運動を整えてくれます。
市販されているフードでも、プロバイオティクスやプレバイオティクスを含んだフードもありますので目的に適したものを利用してもよいかもしれません。また、食事内容はバランスが大切です。過剰に与えるのではなく、バランス良く与えるようにしましょう。
3)サプリメントを活用する
腸内環境を改善する方法として、サプリメントを活用する方法もあります。サプリメントの中にはプロバイオティクス(体に良い影響を及ぼすもの・・・乳酸菌、ビフィズス菌など)を含んだものやプレバイオティクス(善玉菌に利用されて(餌となって)体に良い影響を及ぼすように働くもの(水溶性食物繊維やオリゴ糖などん)を含んだもの、その両方を含んだもの(シンバイオティクス)などもあります。
サプリメントは粒タイプ、粉タイプ、ビスケットタイプなどあるため、犬が食べやすいものを選びましょう。
サプリメントの代わりに、無糖(できれば無脂肪)ヨーグルトを、一日に小さじ1/2~1杯与えてみる方法もあります(必ず犬の様子や糞便の状態をチェックしながら行ってください)。
日頃からできる予防法
腸内環境を改善するためには食事だけでなく生活習慣も大切です。
ここでは、日頃からできる予防法についてご紹介します。
1)散歩
犬を必要な時間散歩に連れ出してあげましょう。散歩に行くことでストレス解消効果だけでなく腸内の活動を活発にする効果もあります。
散歩時間は犬の体の大きさにより異なるため、愛犬の適切な運動量はどれくらいなのか調べることをおすすめします。
2)清潔な生活環境
犬は清潔な生活環境で生活することが望ましいです。犬用のベッドやケージの掃除などこまめに行い、ブラッシングなどもしっかりしてあげましょう。
3)良質な睡眠
犬には良質な睡眠が必要です。睡眠不足になると腸内の活動も鈍くなり、体調を崩しやすくなってしまいます。そのため、犬が寝ている時間帯はテレビや音楽の音量を下げてゆっくり体を休めることができるようにしてあげましょう。
【まとめ】
ここでは腸内環境を改善する方法や日頃からできる予防法についてご紹介しました。
腸内細菌のバランスは日頃の生活で整えることができます。犬の健康を守るためにも腸内環境について気を配ってあげることをおすすめします。