獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎では、痒みがひどくなることで、さらに、引っかいたり、なめたり、こすりつけたりして余計に皮膚炎が進行するという悪循環に陥ります。そのため、早めに動物病院に連れて行き、治療をすることやアレルギーのもととなる物質を避け、さらに、自宅でしっかりスキンケアをすることが大切です。
ここでは、アレルギー性皮膚炎のスキンケアについてご紹介します。シャンプーの仕方、保湿などのお手入れ方法を解説します。
シャンプーの仕方
シャンプーの仕方は、シャンプーの選択から異なります。その子の皮膚や被毛の状態に適したシャンプーを選択します(一般的なシャンプーは、毛や皮膚の汚れを落として、皮膚の毛艶や指通りを良くするものですが、アレルギー性皮膚炎を含め皮膚疾患では、皮膚の状態を改善する薬用シャンプーを使います。動物病院で、その子の皮膚の状態に合わせたシャンプーを選択してもらえます)。
まず、シャンプー前に丁寧にブラシやくしを使って毛玉や汚れを取り除いておきましょう。
次に犬の体(表皮)をぬるま湯でしっかりと濡らしていきます。お湯の温度は高すぎてしまうと痒みが出てしまうため30度程度のぬるま湯のような低めの温度にしておきましょう(ただし、犬が風邪をひかないように室内は暖かくしておきます)。
体(表皮)をしっかり濡らしたあとは、シャンプー剤を泡立てて体(表皮)に塗り込むようにします。シャンプーは皮膚に揉み込むように5~10分程度マッサージしながら行いましょう。浸透させる時間はシャンプー剤により異なります。浸透することでシャンプーの効果をしっかり感じることができるようになりますので、しっかり浸透させましょう。
その後、体についたシャンプー剤を全て流すようにしっかりと洗い流します。流す工程を適当にしてしまうと体に残ったシャンプー剤が炎症を起こすことがあるため、何度も流してあげることが望ましいです。胸や脇、お腹、内股、尻尾などはシャンプー剤が残りやすい部位なので注意しましょう。この時も、お湯の温度は、30度程度にしてください。
流したあとはコンディショナーやトリートメントなどで保湿していきます。トリートメントもシャンプー同様しっかり流しましょう。シャンプー剤によってはコンディショナーやトリートメントが必要ない場合もあります。
体をしっかり流したあとは、乾かしていきます。タオルを使って、十分に乾かします(タオルドライ)。タオルで十分水分を取ったら、ドライヤーを使用して十分に乾かします。犬の体表から30センチ以上離して送風します。温風のドライヤーを使用すると、痒みがみられることがあるため、低温や冷風を使用して十分に乾かします。
保湿などのお手入れ方法とは?
保湿などのお手入れ方法としては、犬用の保湿ローションを使用する方法があります。保湿ローションはシャンプー後にすることがおすすめです。保湿ローションの使用は、かかりつけの獣医師と相談してからにしましょう。
保湿ローションは犬の皮膚に吹きかけて手でパックするようにし浸透させます。スキンケアを行う時は手を清潔にしてから行いましょう。
動物病院をしっかり受診することが大切
動物病院はしっかりと受診することが大切です。スキンケアだけではアレルギー性皮膚炎を治療することは難しいです。動物病院での治療をしつつ、スキンケアもしっかりしていきましょう。
【まとめ】
ここでは、アレルギー性皮膚炎のスキンケアについてご紹介しました。
シャンプーは基本的にはシャンプー剤を皮膚に塗り込むようにマッサージすることが大切です。正しく使用することでシャンプーの効果をより実感することができます。