獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
あなたは、暑い時期のお散歩はどの時間帯に行っていますか?
最近は、「真夏の日中に犬の散歩をするのは危険」と言われることも増えてきましたので、 暑さ対策として、涼しい時間帯にお散歩をしているのではないでしょうか。
ですが、まだまだ真夏の昼間にお散歩をしている姿も見かけます。
夏の散歩は、暑さによる熱中症、熱いアスファルトで肉球を火傷するなど、危険がいっぱいです。
そこで今回は、夏の犬の散歩で注意したい4つのことについてお話したいと思います。
1.暑さによる熱中症に注意
犬は人間のように汗をかくことができません。
そのため、体温調節がうまくできず、体に熱がこもってしまい熱中症になります。
熱中症の初期症状には以下の症状が見られます。
- 呼吸が荒い
- 大量のよだれ
- ふらつき
- 元気消失
- ぐったりしている
- 体が熱い
- 食欲不振
もし、散歩中にこのような症状が見られたら、早急に動物病院を受診しましょう。
2.アスファルトの熱での火傷に注意
夏のアスファルトやコンクリートの路面は、日光の熱を吸収し50〜60度にもなります。
犬の肉球はとてもデリケートです。そのため、熱くなった路面を歩くと肉球を火傷してしまうことがあります。
散歩に出かける前には、路面を触って熱すぎないかかならず確認するようにしましょう。
散歩中に以下のような症状が見られたら火傷の可能性があります。
- 歩くのを嫌がる
- 足を気にしている
- 肉球が腫れている
- 肉球が赤くなっている
もし、散歩中に歩くのを嫌がったり、足を気にしたりするそぶりを見せたら涼しい場所に移動して肉球を確認してください。
また、異常が見られたら動物病院を受診しましょう。
3.水分不足に注意
犬は人間のように汗をかいて体温を調節することができません。
夏の暑い時期は、散歩などの軽い運動でも体温が上昇します。
犬は、水分補給をすることで体の内側から体温を下げますので、こまめな水分補給が欠かせません。
散歩中は体温が上がりすぎていないか注意深く観察してください。
4.ノミ・ダニなどの害虫に注意
夏の散歩では犬の体調のほかにも、ノミ・ダニなどの害虫にも注意が必要です。
ノミが活発に活動するのは、気温18〜27℃。ダニは25〜30℃の湿気を好むため、梅雨時期に繁殖することが多いと言われています。
ノミは、激しいかゆみを引き起こし、皮膚炎や感染症の原因に、 ダニは重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やバベシア症、ライム病感染の原因になる場合があります。
どちらも、公園や道端の草むらなどに潜んでいます。犬が草むらに入らないように注意しましょう。
【まとめ】
夏の散歩は、時間帯によっては、熱中症や肉球を火傷する恐れがあります。
気温が高くなる時間帯や強い日差し、アスファルトの熱を避けてお散歩をしましょう。
また、散歩中の水分不足による体温上昇、ノミ・ダニなどの害虫にも注意が必要です。
もし、散歩中にぐったりする、動かない、歩くのを嫌がるなどの異常が見られた場合は、早急に動物病院を受診するようにしてください。
また、飼い主さんの熱さ対策も忘れないようにしましょう。