獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
もし、突然、愛犬があなたの目の前で痙攣(けいれん)を起こしてしまったら、あなたはどのような行動をとりますか?
「大丈夫?」と大声で呼びかけたり、「この痙攣を止めないと」と愛犬の体をゆすったりしてパニックになってしまうのではないでしょうか。
しかし、大きな声をだしたり、体に強く触れたりすることで、無意識に噛んでしまうなどの思わぬ事故になることもあります。
そこで今回は、もしも愛犬が痙攣を起こしたときにどう対処すればいいか、動物病院を受診するべき症状にはどのようなものがあるのか、 また痙攣を起こさないようにするにはどうしたらいいか、について詳しくお話したいと思います。
犬が痙攣(けいれん)を起こしたときの対処法
愛犬が痙攣を起こしたら、まずは愛犬の安全を確保してあげてください。 頭や手足をぶつけて怪我をしないように、クッションや毛布などで保護します。
ただし、無意識に噛んでしまう場合がありますから、口まわりはとくに注意してください。
また、呼びかけたり、なでたりすると脳に余計な刺激を与えることになるため、なるべく静かにして見守り、安静が保てるようにテレビやラジオなどの音源は消して、室内も暗くしましょう。
痙攣がはじまった時刻と症状が起きていた時間や痙攣が起きる前後の様子について記録しておきましょう。
可能であればスマートフォンなどで動画を撮っておくと、獣医師が状態を把握しやすくなります。
病院に連れて行くべき症状とは
初めての痙攣の場合はなるべく早く動物病院を受診してください。
急性腎不全や肝不全、中毒などが原因であれば、緊急治療が必要な場合もあるためです。
すでに原因となる病気が特定されている場合でも、痙攣が5分以上つづいたときや、連続的に起きたとき、痙攣がおさまってからも回復しないときなどは早めに受診することをおすすめします。
痙攣が起きるたびに脳がダメージを受けることもありますので、不安があれば獣医師に相談してください。
痙攣(けいれん)の予防法
痙攣が起きる原因はさまざまで、予防は簡単ではありません。
とは言え、犬ジステンパーウイルス感染症については定期的なワクチン接種で、また中毒については有害なものに犬を近づけないなどで防ぐことが可能です。
また、脳腫瘍や水頭症で抗てんかん薬が処方されている場合は、獣医師の指示にしたがってきちんと投与します。
効果が切れると反動で大きな痙攣が起きる可能性があるため、薬を切らさないように注意してください。
【まとめ】
愛犬が初めて痙攣を起こしたときは誰でも驚いてしまい、落ち着いて適切に対処するのは難しいと思います。
しかし、痙攣はどんな犬にも起こり得ます。
この先のもしもに備えて、痙攣を起こしたときは愛犬になにをしてあげられるか、飼い主としてどう行動すればいいのか、一度考えてみてください。
そして、わからないことや心配なことがあれば、獣医師に相談することをおすすめします。