獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬を多頭飼いすると、いつも以上に賑やかになり喜びも楽しみも倍増します。
しかし、いざ新たな犬をお迎えすると決めても、
「新しく犬を迎えるのはいつがいい?」
「多頭飼いで注意することは?」
といった悩みが出てくるのではないでしょうか。
そこで、今回は多頭飼いをする際の準備やポイントについてお話したいと思います。
新しい犬を迎えるベストなタイミングは?
新たに犬を迎えるタイミングは、先住犬が3〜5歳ごろが望ましいです。
なぜなら、このぐらいの年齢になると、精神的にも身体的にも落ち着ついている時期だからです。
とくに、2匹目が子犬なら、先住犬が優位になりやすい年齢差ですから、トラブルがおこりにくいと思われます。
また、2匹目は生後3〜4ヶ月ごろまでがおすすめです。
生後2〜3ヶ月は社会化期と呼ばれる時期で、恐怖心が少なく、いろんなことを学習する時期です。
そのため、環境の変化にもなじみやすく、先住犬との関係も築きやすいでしょう。
多頭飼いをする前に確認・準備しておきたいこと
新たに犬を迎えようと思ったら、事前に飼育環境を整えておく必要があります。
お迎えする前に、以下の点について確認しておきましょう。
■ 集合住宅の場合は多頭飼いが可能か
ペット飼育が可能な集合住宅でも、飼育頭数に制限があるのが一般的です。
そのため、多頭飼いの際には、必ず複数のペットを飼育できるか確認する必要があります。
■ 飼育スペース・飼育環境が確保できるか
多頭飼いをするためには広いスペースが必要になります。最低でも以下のスペースが必要です。
▶それぞれの占有のスペース(くつろぎスペース)
▶トイレやサークルなどを置くスペース
▶複数の犬が運動できる広さ
■ 先住犬のしつけ・問題行動の対策はできているか
先住犬のしつけができていない、吠える、噛みつくなどの問題行動がある場合は、お迎えする前に対策しておきましょう。
新入りの犬が先住犬の行動を見て、してほしくない行動を覚えてしまう可能性があるためです。
多頭飼い飼育の3つのポイント
犬を多頭飼いするには、1匹のときよりも注意しなければいけないことが増えます。
愛犬のストレス軽減、健康のためにも、とくに以下の点には注意しましょう。
1. 愛情は平等だけど先住犬ファースト
新たに犬を迎えるとどうしても新入りの犬が気になってしまうもの。
しかし、ここはぐっと我慢して、先住犬ファーストを心がけましょう。
自分のほうが上と思っているのに、あとからやってきた新入りを優遇していると、先住犬がストレスを感じたり、仲がこじれてしまうことも。
とはいえ、愛情は平等に。どちらかに偏ることがないように注意しましょう。
2. それぞれが安心できる場所を用意する
ストレス軽減のためにも、それぞれが安心して休める場所が必要となります。
お互いに邪魔されない場所に、専用のベッドとケージを置いてゆっくりと休めるようにするのが理想です。
専用のケージが難しい場合でも、ベッドだけはそれぞれに用意してあげてください。
3. 感染症対策を徹底する
犬の多頭飼いでは、感染症に注意が必要です。
1匹が感染すると、ほかの犬にも感染する可能性があります。
ノミ・ダニなどの寄生虫は予防できるものは予防し、定期的な予防接種による感染症対策も徹底しましょう。
また、感染症が発覚した場合は、隔離するスペースが必要になる場合もあります。
【まとめ】
新たに犬を迎えるのはわくわくするものです。
しかし、楽しいことばかりではありません。愛犬たちが仲良く、快適に暮らしていくためには、注意しなければいけないこともあります。
実際に犬をお迎えする際は、良い環境で迎えられるようしっかりと準備をしましょう。