獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。愛犬が吐いた、あるいは下痢をしたという時は、少し様子を見てみようかなと思うことが多いのではないでしょうか。
しかし、愛犬が何度も嘔吐や下痢をしていたり、体調が悪そうだったりすると心配ですよね。
そこで、今回は病院を受診するべき目安と様子を見る際の注意点についてお話したいと思います。
犬の嘔吐・下痢で受診する目安は?
前編で危険な嘔吐・下痢について紹介しましたが、ここではもう少し具体的に受診するべき症状を紹介していきたいと思います。
- 排便回数が多い(脱水の危険性がある)
- 水様性下痢(脱水の危険性がある)
- 1日3回以上の嘔吐・下痢(脱水の危険性がある)
- 嘔吐・下痢が3日以上つづいている
- 赤い液体・ジャムのような血便が出ている
- どす黒い色の血便が出ている
- 白い色の便(脂肪便)が出ている
- 嘔吐・下痢が同時に見られる
- 嘔吐物に血が混じっている
- 嘔吐物から便の臭いがする
嘔吐・下痢以外にも、元気がない、食欲がない、呼吸があらい、痛みがある、発熱しているなどいつもと違う様子が見られる場合も受診しましょう。
また、子犬は1回の嘔吐・下痢でも危険な状態に陥る可能性がありますので、早急に受診する必要があります。体力の落ちた老犬も注意が必要です。
こんなときは慌てずに様子を見る
嘔吐・下痢でも以下の場合は1〜2日は様子を見ても良いでしょう。
- 元気や食欲がある
- 嘔吐・下痢をくり返さない
- 嘔吐・下痢以外に症状が見られない
- 排便回数がいつもと同じで少しゆるいだけ
このようなときは、ストレスや季節の変わり目で体調を崩しているといった可能性が考えられます。基本的には、元気があっていつもと変わらないならば、様子を見ても大丈夫でしょう。
ただし、判断に迷ったら獣医師に相談することをおすすめします。
嘔吐・下痢で様子を見る際の注意点は?
早急に動物病院を受診するべき症状がなければ、1〜2日は様子を見ても良いでしょう。その際は以下の点に注意してください。
・急変に注意して様子を見る
・半日ほど絶食をして胃腸を休ませる
・脱水症を起こさないように常温の水を飲ませる(飲みたがれば)
・嘔吐・下痢の回数や状況をメモしておく
一時的な嘔吐・下痢であれば、1〜2日程度で症状が治まるはずです。3日経っても症状がつづいている場合は、病気の可能性もあります。動物病院を受診しましょう。
まとめ
嘔吐・下痢で受診するかどうかの目安と対処法についてお伝えしました。
愛犬が嘔吐や下痢をしてしまうと、
「もう少し様子をみようかな?」
「こんなことで病院に行っていいのかな?」
と迷ってしまうこともありますが、「様子がおかしいかも」と思ったら自己判断をせずに獣医師に相談しましょう。