愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

老犬

シニア犬がかかりやすい6つの病気とは

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師

老犬は何歳から?


犬が老犬と呼ばれる年齢は、平均寿命14歳の半分くらいで、一般的に7歳以上とされていますが、老化のスピードは体の大きさによって異なります。

小型犬は老化の兆候が出るのが遅く、大型犬は短命で早めに老化がはじまる傾向があります。

また、愛犬が「老犬」としてのケアを必要とするタイミングは、健康状態や生活環境によっても違いが生じます。

老犬が注意したい6つの病気


老犬になると、いくつかの病気にかかりやすくなります。今回は老犬に多いと言われている6つの病気とその特徴について解説します。


加齢にともない関節軟骨の柔軟性が失われてきます。

軟骨保護成分や軟骨構成成分、関節液が減少したり、軟骨の摩耗・損傷をしたりすることにより炎症を生じます。

症状としては、

▶歩行に支障をきたす
階段の昇降をいやがる
ジャンプ・遊びを好まなくなる
体がこわばる
歩行速度が低下する


などがあります。

肥満や過体重が、骨格や関節に負担をかけ発症リスクを高めるため、適切な体重管理をすることが予防のカギです。


腎臓の機能が低下することで起こる病気で、多飲多尿、食欲不振、嘔吐などの症状があらわれます。

初期は病気に気づきにくく、ある程度進行してから症状があらわれるのが一般的です。そのため、飼い主さんが気づいたときには腎機能の50%以上が失われていることも珍しくありません。

慢性腎臓病は進行性の病気で完治は望めませんので、早期発見・早期治療が重要な病気です。


老犬では、心臓の弁が機能低下する僧帽弁閉鎖不全症がよく見られます。僧帽弁に異常が生じてうまく機能しなくなり、血液の逆流が起こる病気です。

咳が出る、疲れやすい、寝ている時間が増えたといった症状としてあらわれます。

進行すると、心臓のポンプ機能が低下し、全身へ血液がうまく送り出せず、肺・全身に液体が貯留し、血圧も上昇するうっ血性心不全の状態になります。

場合によっては、肺水腫から呼吸困難を起こし、死に至ります。


高齢犬に見られる認知機能の低下で、徘徊や夜鳴き、トイレの失敗などの行動変化が見られます。

認知症の初期には、名前を呼んでも反応をしない、指示に従わない、無気力になるといった様子が見られます。

おかしいなと感じたら早めに獣医師に相談しましょう。


視力の低下や失明につながる目の病気で、目が白く濁るのが特徴です。

老化によるものが多いですが、遺伝や糖尿病が原因になることもあります。

初期症状として、暗くなってからの散歩を嫌がる、物にぶつかったり、段差につまずいたりすることが多くなるといった様子が見られます。


犬の歯周病は、歯垢や歯石が原因で歯茎が炎症を起こす病気です。年齢が上がるに連れて増えていきます。

進行すると歯が抜け落ちたりあごの骨が溶けたりするほか、内臓疾患の原因になる場合もあります。

歯周病の予防には、定期的な歯磨きや歯科検診が効果的です。

【まとめ】


犬は7歳を過ぎた頃から少しずつ老化がはじまり、さまざまな病気のリスクが増加します。慢性腎臓病、心臓病などの命に関わる病気だけでなく、骨関節炎、認知症や白内障、歯周病など日常生活に影響を与える病気にも注意が必要です。

定期的な健康診断と適切なケアをおこない、老犬が快適な暮らしを送れるようサポートしてあげましょう。


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