獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
愛犬が便秘になってしまった時、早くスッキリさせてあげたいと思いますよね。
そんな時は便秘改善に役立つ「食べ物」を与えてみたり、運動で腸の動きを活発にさせてあげたりといった、自宅でできる対策もあります。
今回は無理なくできる犬の便秘対策として、食事と運動に焦点を当ててお話をしていきます。
食事を見直す
軽度の便秘であれば、食物繊維を摂取することで改善できるかもしれません。
さつまいもやカボチャなど食物繊維が豊富な野菜をトッピングするのがおすすめです。ただし、ダイエットフードに使用されることが多い不溶性食物繊維は便秘を悪化させる原因になる場合がありますので注意が必要です。
このほか、オリーブオイルは腸の蠕動運動を促進するオレイン酸が含まれていますので、便秘解消効果があるとされています。普段の食事に取り入れるのも良いでしょう。また、乳酸菌やビフィズス菌の入ったプレーンヨーグルトを小さじ1/2~1杯程度与えてみる方法もあります。
水分摂取量
便秘の解消には飲水量も重要です。もし、あまり水分を摂取していないようであれば、飲ませる工夫が必要でしょう。簡単で確実なのは以下の方法です。
- ウェットフードをあたえる
- 肉のゆで汁をスープとしてあたえる
- ドライフードをふやかしてあたえる
その他に、
- 水飲み場を複数個所にする
- 好みの水や好みの容器を探してみる
愛犬の好みに合わせていろいろ試してみましょう。
適度な運動
適度な運動は腸の活動を活発にし、蠕動運動を促します。運動といっても、特別なことではなく、毎日の散歩でも十分に効果はあります。途中で軽く走ったり、歩いたりするのも良い運動になるでしょう。
たまには、ドッグランで思いっきり走らせてあげるのもおすすめです。ストレス発散にも効果的です。運動のあとは、水分補給も忘れずにおこないましょう。水分摂取量を増やすこともできます。
マッサージや綿棒で刺激は効果がある?
お腹のマッサージやツボを刺激するという方法は、あまり効果が期待できないかもしれません。腸ではなくほかの場所を刺激してしまう恐れもあるため注意が必要でしょう。
また、綿棒を肛門に入れて刺激するという飼い主さんもいるようですが、効果以前の問題で、危険ですから絶対にやめてください。
こんなときは迷わず動物病院へ
1〜2日ならうんちが出なくても様子を見て良いかもしれません。
ただし、以下のような症状が見られる場合は、緊急性が高い可能性があります。早急に動物病院を受診してください。
・嘔吐
・痙攣
・震え
・呼吸が荒い
・動かない
・ぐったりしている
これらはあくまでも一例ですから、この他にも気になる症状があれば獣医師に相談しましょう。また、3日以上排便がない場合も動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
今回は、日常の中に無理なく取り入れられる便秘対策を集めてみました。ポイントは以下の3つです。
- 食事を見直すこと
- しっかりと水分を摂取すること
- 適度な運動をすること
予防にもなりますから、日頃から意識するようにしましょう。