獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬は私たち人間の何倍も早く年老いていきます。見た目も変わらず、元気に走り回っていても、気づかないうちに老化は進んでいます。
そこで今回は、比較的わかりやすい老化のサインを4つご紹介します。
何歳になったら老犬?
犬は一般的に7歳から老犬と言われています。ただし、小型犬と大型犬では歳のとり方に差があり、体が大きいほど早く歳をとります。※平均寿命のおよそ半分になったら高齢とみなされるようです。
- 小型犬 中高齢期:6.9才 高齢期:9.2才
- 中型犬 中高齢期:6.6才 高齢期:8.8才
- 大型犬 中高齢期:5.5才 高齢期:7.4才
7歳ごろから老犬と言っても、人間にすると44〜48歳くらいです。7歳を過ぎると徐々に老化のサインが出はじめます。
老化で見られる4つのサイン
犬も老化に伴ってさまざまな変化が起きます。
日頃から注意深く観察し少しでも早く気づけるようにしましょう。
1. 食欲が落ちる
犬も加齢とともに食欲が落ちます。
その原因としては以下のことがあげられます。
- 基礎代謝が落ちる
- 運動量が減る
- 嗅覚や味覚が衰える
- 口腔内の問題
老犬になると筋肉量が減り、内臓の機能も低下するため、自然と基礎代謝が落ちて、必要なエネルギー量も減っていきます。さらに、運動量も減るため、食べる量が減るのです。
また、老化で嗅覚や味覚が衰えることで、匂いが感じられなかったり、味の好みが変わったりで食欲が落ちるのも老犬の特徴です。さらに、口内炎や歯周病などの病気や、硬いものが食べにくいなども食欲低下の原因になります。
2. 睡眠時間が増える
犬の1日の睡眠時間は12時間ほどと言われていますが、加齢とともに増える傾向があります。
周囲への関心が薄くなり、寝ていることを優先するようになった、昼も寝ていることが多くなったと感じたら老化のサインかもしれません。
3. 散歩の時間が短くなる
老化のサインとして散歩で長時間歩くのを嫌がるようになります。筋力が落ちて、歩くことが負担になっている可能性があります。
もし、立ち止まっているときに後ろ脚がぷるぷると震えていたら筋力が落ちて体を支えるのが辛くなっているのかもしれません。長時間歩いたり段差を上り下りするのが負担になっていると思われます。無理のないコースを選び愛犬のペースで歩くようにしましょう。
また、加齢とともに増えてくる関節疾患や心臓病が隠れている場合もあります。散歩を好まなくなる場合は動物病院を受診するようにしましょう。
4. 外見の変化
老化が進むと見た目にもさまざまな変化が表われてきます。わかりやすいものとして、以下のような変化や症状が見られるようになるでしょう。
- 目が白っぽくなる(白内障)
- 目やにが増える
- 毛づやが悪くなる
- 皮膚に張りがなくなる
- 白い毛が混じる
外見の変化は個体差がありますし、場合によっては病気が原因の可能性もあります。気になることがあれば、獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬も歳を重ねることで、少しずつ体が衰えていきます。快適なシニアライフのためには、日頃から愛犬の様子を観察して老化のサインに早めに気づき、しっかりと対策をすることが大切です。