獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
「うちの子、ポチャっとしてるけど大丈夫かな?」と気になったことはありませんか?
犬の肥満は見た目や体重では判断がしにくいため、太りすぎなのか、このままでいいのか迷ってしまいますよね。
また、犬は肥満になると病気や怪我のリスクが増えると言われていますので、太らせないようにしたいと思っているのではないでしょうか。
そこで今回は、どこからが肥満になるのか、肥満になったらどんなリスクがあるのかについてお話したいと思います。
犬の肥満はどこから?どうやって判断する?
犬の肥満は見た目で明らかにわかる状態でなければ判断が難しいこともあります。
また、犬種や個体差もあるため、何キロ以上だから肥満だと一概には言えません。
そこで、犬が肥満かどうかを判断するための指標としてBCS(ボディコンディションスコア)が使用されています。
BCSとは?
BCSは動物の脂肪のつき具合(肥満度)を5段階(または、9段階)で評価するための指標です。
BCSでは、BCS3を理想体型として、それ以下をやや痩せもしくは、痩せ、それ以上をやや肥満もしくは肥満としています。
BCSについてもう少し詳しく解説していきます。
■ BCSのチェックポイント
肥満のチェックには、BCSを活用することをご紹介しましたが、どのように判断するのでしょうか?
チェックポイントは以下になります。
- ウエストのくびれの有無
- お腹の垂れ具合
- 触診で助骨、腰椎、骨盤を確認できるか
肥満になるほど、ウエストのくびれが見られず、お腹が地面と平行もしくは、大きく垂れ下がって見えます。触診では、肋骨などの骨に簡単に触れることができません。
一方で理想的な体型の犬は、ウエストがほどよくくびれ、肋骨にも適度に触れます。
■ BCSのそれぞれの見た目はどうなる?
ここでは、BSCのスコアによる体型の違いをもう少し詳しく解説します。
BCS1:痩せ
助骨、腰椎、骨盤などが見た目でわかる状態で、触ったときに脂肪がわからないという特徴があります。見た目にもガリガリで背骨がはっきりと見えることもあります。
BCS2:やや痩せ
肋骨が簡単に触れる状態で、上から見たときにウエストが大きくくびれています。
BCS3:理想体型
脂肪がほどよくついていて、肋骨にも適度に触れる状態です。上から見たときにウエストのあたりがほどよくくびれています。
BCS4:やや肥満
やや脂肪は多いものの、なんとか肋骨に触れます。上から見た際も、ウエストのくびれは確認できますが、少しぽっちゃりとした印象です。
BCS5:肥満
全体的に厚い脂肪に覆われ、簡単に肋骨に触れることができません。ウエストのくびれは見られないか、ほとんどない状態です。横から見たときにお腹が垂れ下がっています。
肥満のリスク
犬も人間と同じく肥満は健康上のリスクを高めます。肥満と関係のある病気には以下のようなものがあります。
- 糖尿病
- 心臓病
- 呼吸器疾患
- 骨関節疾患
- 尿石症
このように、犬が肥満になると健康上のさまざまな問題を引き起こします。ほかにも、寿命を大幅に縮める、手術や麻酔の難易度があがるといったリスクもあります。
【まとめ】
愛犬が太りすぎているかどうか気になるときは、 見た目や体重だけでなく、BCS(ボディコンディションスコア)の基準を参考にすると良いでしょう。
ウエストがほどよくくびれ、肋骨にも適度に触れる状態であれば、理想的な体型といえます。
逆に、ウエストのくびれが見られず、お腹が地面と平行もしくは、大きく垂れ下がって見え、肋骨などの骨に簡単に触れることができない場合は肥満と判断します。
犬は肥満になると、糖尿病や心臓病などの病気になりやすいと言われています。
愛犬の健康を守るためにも、愛犬が太りすぎていないか普段からチェックしてあげてください。