獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
あなたは、愛犬のための防災対策はどんなことをおこなっていますか?
災害時は救援物資から避難所生活まで人間優先になりますので、犬のためのことは後回しになりがちです。ですから、どんな状況になっても愛犬を守れるよう、日頃からしっかりと備えておくことが大切です。
今回は、愛犬のための防災グッズ、予防接種の必要性、避難所でのトラブルを避けるためのトレーニングについて紹介します。
愛犬用の防災グッズ
一番に用意したいのは愛犬が生きていくために必要な防災グッズです。
以下に必要なもの、あると便利なものをリストアップしました。参考にして準備しましょう。
■ 絶対に必要なもの
- いつも食べているドッグフード(1週間分)
- 飲料水(1週間分)
- 薬
- フードボウル
- トイレシーツ
- 排泄物処理用の袋
- 首輪と迷子札
- ハーネス、リード(伸びないもの)
- ケージまたはキャリーバッグ
- 予防接種証明証
- 狂犬病予防注射注射済票(以下、予防接種済票)
- 愛犬の写真(愛犬のみと家族で撮影したもの)
ドッグフードなどの日頃から使う消耗品はローリングストック法で備蓄しましょう。
ローリングストック法とは、少し多めに購入して、使った分を補充するという備蓄法です。常にストックがある状態で使いながら備蓄するため、賞味期限切れを防ぐことができます。
■ 避難所であると便利なもの
- ビニール袋
- ガムテープ(段ボールハウスの作製、補修など)
- 油性ペン(愛犬や飼い主の情報をメモしておく)
- ケア用品(ブラシ、ペット用ウェットティッシュなど)
これらは、必須ではありませんが、持っていると避難所暮らしで便利なものです。
余裕があれば、持ち出し用の袋に入れておきましょう。
予防接種は欠かさずに受けておく
避難所によっては予防接種を義務づけており、摂取を証明できるものが必要になる場合があります。予防接種証明証と狂犬病の予防注射済票は持ち出せるよう準備しておきましょう。
犬も慣れない避難所生活で強いストレスを感じていることが考えられます。日常的にストレスを感じると免疫力の低下を引き起こします。
愛犬の健康を守るためにも、狂犬病予防接種と混合ワクチンは忘れずに接種しておきましょう。
迷子になった愛犬と再会するために
災害で迷子になった愛犬と再会するためにも、迷子札や鑑札とともにマイクロチップの装着をおすすめします。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、首輪に迷子札や鑑札をつけていた犬は100%飼い主さんが見つかりました。
一方、首輪が外れてしまったり、迷子札や鑑札が装着されていなかった犬は飼い主探しが難航しました。
マイクロチップを装着しておけば、万が一首輪が外れてしまったときにも愛犬と再会できる可能性が高くなります。
まだまだ抵抗のある人も多いようですが、ぜひ検討をしましょう。
避難時に必要なトレーニング
国は、災害時には原則としてペットを連れて避難所など安全な場所に避難することを推奨していますが、避難所では、基本的に飼い主さんと同じ居住スペースには入れません。
ほとんどの避難所は、ペットと人間の居住スペースを分け、ペット専用のスペースを用意するといった対応をとっていますので、クレートやケージで過ごすことが想定されます。
普段から、クレートの中でも落ち着いて過ごせるように慣らしておくことをおすすめします。
また、ペットの避難生活ではトラブルが起きがちです。少しでもトラブルを減らせるように、以下の基本のトレーニングを完璧にしておきましょう。
- ほかの人や犬に慣らしておく
- クレートトレーニング
- 「待て」「おいで」などのしつけ
しつけの基本である「待て」「おいで」「伏せ」「おすわり」を完璧にしておくと、予想外のハプニングが起きたときに愛犬を静止したり、簡単に呼び戻すことができます。
まとめ
台風は数日前に知ることができますが、地震のように起きるまで予想ができない災害もあります。そんなときに、愛犬を守れるのは飼い主であるあなただけです。
大切な愛犬を守るためには、日頃から防災グッズを準備する、予防接種を欠かさない、最低限のトレーニングをおこなうなど、いざというときに困らないように備えておくことが大切です。