獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
愛犬が糖尿病にかかってしまうと、生活がガラッと変わってしまいます。
なぜなら犬の糖尿病は、生涯に渡って食事や体重の管理が必要となり、また頻繁に病院に通わなくてはいけないからです。
そこで今回は、犬が糖尿病にかかってしまったらどのような生活に変わるのかお話したいと思います。
毎日インスリン投与が必要となる
犬が糖尿病にかかると、ほとんどのケースでインスリンの投与が必要となります。 インスリン投与とは不足しているインスリンを補う治療です。
毎日1日2回あるいは1回、自宅で飼い主さんがインスリンを注射します。
インスリンの量が多すぎると低血糖を引き起こし、一方で、少なすぎると効果がありません。
そのため、インスリンの投与量は、血糖値の変化や症状を確認しながら慎重に決める必要があります。
インスリンの投与を開始して症状が落ち着いたとしても継続して治療が必要となるため、 体調などに問題がないか確認しながら定期的に通院します。
毎日の食事コントロールと適度な運動
犬の糖尿病治療はインスリンの投与だけでなく、毎日の食事管理と運動も重要です。
■ 食事について
血糖値を適切に保つためには、毎日決められた食事を決められた時間に与える必要があります。
間食は原則として禁止です。
糖尿病の食事では、食後の急激な血糖値の上昇を防ぐため、繊維質が豊富に含まれている療法食を与えるように指示されることが多いです。 繊維質がたくさん含まれていることで、満腹感が得やすく、肥満の予防にもなります。
また、インスリン投与を行う糖尿病では、食事を食べてもらえないとインスリンによるコントロールができず低血糖の危険性があったり、 食べムラがあると、血糖値が安定しなかったりすることもあります。
体重管理用や肥満管理用などの療法食を食べてもらえない場合は、確実に食べてもらえる食事を選択します。
大切なことは、食事のエネルギー量と犬の必要エネルギー量から給与量を算定し、 毎回きちんと食事の給与量を計測して、インスリン投与と連動させて与えるということです。
食事を食べてくれない、おやつをほしがる、といった場合は自己判断せずに必ず獣医師に相談してください。
■ 運動について
運動は血糖値を低下させる効果があるため、適度な運動が推奨されます。 犬にとって散歩は、運動のほかにもほどよい刺激や気分転換にもなりますので、積極的に行いたいところです。
一方で、過剰な運動は低血糖を引き起こすため注意が必要です(インスリン注射前後の運動は控えるようにしてください)。
獣医師と相談のうえ、運動量を適切に管理しましょう。
糖尿病は予防できる?
愛犬の糖尿病予防のポイントは以下の3つです。
▶ 食事やおやつを与えすぎない
▶ 適度な運動をする
▶ 肥満にしない
また、メス犬は避妊手術をすると糖尿病(黄体期糖尿病)のリスクを軽減できるといわれています。
ただし、手術後はホルモンバランスが変化して太りやすくなる傾向があります。肥満にならないように食事管理を徹底しましょう。
【まとめ】
犬が糖尿病にかかると、ほとんどのケースでインスリンの投与を毎日1日2回、飼い主さんが自宅で行わなければいけません。
また、血糖値を安定させるためにも、毎日決められた食事、給与量を守って食べさせる必要があり、間食やおやつも原則禁止です。
糖尿病は犬にとっても、飼い主さんにとっても大きな負担になります。
生活習慣を見直しリスクを少しでも減らすようにしましょう。