愛犬の健康と、暮らしを楽しむ「ドッグジャーナル」

病気

愛犬に「かゆみ」はありませんか?

監修者

獣医師

島田 真美

ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師


こんにちは島田です。

愛犬がしきりに同じところをかいていると「病気?」と心配になった経験はありませんか?

犬の皮膚は人間と比べると薄くとてもデリケートなので、「皮膚トラブル」が起こる可能性も高いのです。皮膚トラブルといっても、症状や原因はさまざまですが、これからの梅雨の時期になると増える皮膚トラブルがあります。

それは、「外耳炎」です。

外耳炎は犬の中で比較的よく見られる病気で、温度や湿度が上がり始める頃から発症が増え、耳を気にしたり、頻繁に掻きむしったりといった症状が出ます。

そこで今回は、外耳炎の症状や原因、かかりやすい犬の特徴についてお話したいと思います。

犬の外耳炎ってどんな病気?


犬の耳の病気でもっとも多いのが外耳炎です。

外耳炎とは、耳の穴の入り口から鼓膜までの間(外耳)にかゆみや痛みを伴った炎症が起きる病気です。 年齢や犬種関係なくどんな犬でもかかる可能性があります。

外耳炎が悪化すると、鼓膜の内側の中耳や内耳にまで炎症が広がることがあります。 重度になると完治までに非常に時間がかかりますし、犬も強い苦痛を感じることになります。

外耳炎は命にかかわるような病気ではありませんが、早期発見・早期治療が重要な病気です。

外耳炎の症状とチェックポイント

外耳炎のおもな症状は以下の4つです。

  • かゆみ、痛み
  • 外耳が赤くなる
  • 耳垢が増える
  • 耳が臭う


犬は耳がかゆいと、頭を振る、頻繁に耳を掻く、床に耳をこすりつけるといった行動をします。外耳炎でよく見られる特徴的な行動です。

また、重度になると強い炎症と痛み、外耳道が腫れて耳穴がふさがる、膿みが垂れてくることがあります。痛みが強くなると、耳を触られるのを嫌がる、怒るといった様子が見られます。

これらの症状や行動が見られたら外耳炎を疑います。なるべく早く受診し治療を開始しましょう。

外耳炎のおもな原因

犬の外耳炎の原因は多岐に渡ります。

  • 細菌感染
  • 真菌感染
  • 耳ダニの寄生
  • アトピー、アレルギー
  • 腫瘍
  • 異物混入

このなかでも多いのが、細菌や真菌の感染、耳ダニによる寄生です。いずれも湿気を好むことから、多湿な梅雨の時期に悪化しやすいため注意が必要です。

細菌感染が原因の場合は、黄色い耳垢やドロッとした耳垢が出る、膿んでにおいがするのが特徴です。

また、真菌感染では、茶色い耳垢とにおい、耳ダニの寄生の場合は大量の黒い耳垢と激しいかゆみが見られます。

外耳炎に注意が必要な犬の特徴


外耳炎は年齢や犬種に関係なくかかりますが、以下のような特徴を持つ犬種は注意が必要です。

垂れ耳の犬種:ダックスフント、アメリカンコッカースパニエル、ゴールデンレトリバーなど

耳毛が多い:トイプードル、シーズー、ビションフリーゼなど

外耳道が狭い:パグ、フレンチブルドッグなど

食物アレルギーのある犬やアトピーの犬:柴犬、シーズー、フレンチブルドッグなど

まとめ


犬にとって、外耳炎からくる痛みやかゆみは大きな負担となります。日頃から耳を定期的にチェックし、異常がないか確認するようにしましょう。

もし、異常が見られた際は、なるべく早くに動物病院を受診して治療を開始することをおすすめします。

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