獣医師
島田 真美
ペット栄養管理士 / NRサプリメントアドバイザー / 帝京科学大学非常勤講師
こんにちは島田です。
犬と暮らしていると避けて通れないのが「抜け毛」です。とくに、換毛期になると大量に毛が抜けるため、服に毛がついて困る、掃除が大変と思うことはありませんか?
そこで今回は、抜け毛を軽減するためのお手入れ方法と、換毛期のお掃除のコツについてお話したいと思います。
換毛期のお手入れ
抜け毛の増える換毛期だからといって特別なことをする必要はありません。
被毛のお手入れをいつもよりも少しだけていねいにする、頻度を増やすことで対策としては十分です。
■ 毎日のブラッシングと被毛のお手入れ
犬の抜け毛対策では毎日のブラッシングが欠かせません。抜け毛が残ったままだと通気性が悪くなり、皮膚トラブルの原因になることもあります。換毛期には、いつもよりもていねいにブラッシングをおこないましょう。
ただし、ブラッシングに慣れていない犬だと、嫌がられてしまうケースが多いです。そのようなときは無理におこなわず、愛犬の様子を見ながら少しずつ慣らすようにしましょう。
■ 定期的にシャンプーをする
換毛期には、体に残っている抜け毛を取り除くためにも定期的にシャンプーをしましょう。一般的に犬のシャンプーは月1〜2回とされています。月1回の場合は2回に増やしても良いかもしれません。
シャンプーのしすぎは皮膚のバリア機能が低下して皮膚トラブルの原因になると言われています。回数を増やす場合は、低刺激のシャンプーを使うなどして、皮膚への負担を軽減するようにしてください。
■ サマーカットでお手入れの手間を軽減
春の換毛期には、毛を短く刈りそろえてあげるのもおすすめです。短くなるだけなので、抜け毛の量が減るわけではありませんが、短くすることでブラッシングやシャンプーの際の手間を軽減することができます。
ただし、地肌が見えるほど短く刈るのはおすすめしません。地肌に直射日光が当たることで、皮膚トラブルの原因になることがあります。不安な場合は、事前に獣医師に相談するのが良いでしょう。
■ 服を着せて抜け毛の飛び散りを防ぐ
抜け毛がなくなるわけではありませんが、服を着せてあげることで飛び散りを防ぐことができます。服を着せる際は、季節に合った素材のものを選んでください。
春の換毛期であれば、冷感素材のものや通気性に優れた素材、秋の換毛期には、寒さ対策にもなる温かい素材のものがおすすめです。
なお、服を着せっぱなしにすると、蒸れて皮膚トラブルの原因になることもあります。着せっぱなしは避けるようにしましょう。
換毛期の掃除方法
抜け落ちた犬の毛はダニの温床にもなります。アレルギーがある、呼吸器疾患があるといった飼い主さんは、いつも以上にていねいにお掃除をしましょう。
換毛期のお掃除のポイントを紹介します。
- 掃除は高い場所から低い場所へ
- 家具の上はふき掃除で抜け毛の飛び散りを防止
- フローリングはペーパーモップを使う
- 抜け毛が舞い上がるのでほうきは使わない
- 床は端っこから真ん中へ
ソファーなどの布製の家具は、ゴム手袋やエチケットブラシを使ってなでると簡単に抜け毛を取ることができます。
まとめ
愛犬の換毛期がやってくると、お手入れに、掃除に、と大変な時期ですが、抜け毛を放置すると皮膚トラブルの原因にもなりますので、
- 毎日のブラッシング
- 月1〜2回のシャンプー
- 部屋の掃除をいつもよりていねいにおこなう
などの対策で換毛期と上手く付き合っていくと良いでしょう。